コロラド州知事、幻覚剤犯罪への恩赦と幻覚剤治療の保険適用を支持

2023年6月27日

6月21日、米国コロラド州知事はサイケデリクス（幻覚剤）のイベントにて、サイケデリクスで有罪判決を受けた人々に恩赦を与えることを望み、これらの物質による治療を保険適用にすべきとの考えを明かしました。

コロラド州は昨年末、住民投票により自然由来のサイケデリクス（シロシビン、イボガイン、メスカリン、DMT、シロシン）を非犯罪化。5月末には、これらの物質を合法化する法案に州知事が署名しました。これらは大麻のように小売店で販売されることはなく、ヒーリングセンターにおいて専門家の指導のもとで使用が可能となる予定です。

非営利団体「幻覚剤学際研究学会（MAPS：Multidisciplinary Association for Psychedelic Studies）」は、コロラド州デンバーで6月19日〜23日にかけて、「サイケデリック・サイエンス2023」を開催。イベントには400人以上の講演者が登壇し、来場客数はおよそ1万人。MAPSによれば、この来客者数は前回開催時（2017年）の約5倍となっています。

コロラド州知事ジャレッド・ポリス氏は、このイベントにおいてオープニングスピーカーとして参加。ポリス州知事は自身が恩赦の権限を得るために州議会が行動する必要があるとし、「そうすれば、今や合法となっている犯罪歴がある人は、誰でもその犯罪歴を抹消することができ、将来雇用機会を妨げられずにすみます」と述べ、来場者から拍手喝采を浴びました。

さらにポリス州知事は、連邦政府がシロシビンに関する医療規制を改定した場合、州内で自動的にそれが反映される法案を可決するよう議会に求め、以下のように発言。

「不安やうつ病、PTSDに苦しんでいる人に対して非常に高価な処方薬は医療保険が適用されるのに、問題の根本的な原因のいくつかに対処するヒーリングセンターでの治療に保険が適用されないのは、今この時代において依然としてバカバカしいことです」

「そうです。メキシコやコロンビアに行く必要はなくなります。ここコロラドに来ればいいのです」「私たちはいくつか間違ったことをするかもしれませんが、それらから学び、土台にしていくことができると確信しています」

また同イベントには、テキサス州の元州知事リック・ペリー（Rick Perry）氏も登壇しました。ペリー氏はポリス州知事と政治的には反対の立場をとっていますが、サイケデリクスにおいては意気投合。サイケデリクスを全面的に支持しているわけではないものの、退役軍人からPTSDに対するサイケデリクス治療の可能性について話を聞いているうちに、これらが役立つと信じるようになったと語りました。

「願わくば多くの皆さんが同じであって欲しいのですが、私が今日このステージに立っているのは、若者の命よりも自分の評判のほうが大事ではないということを理解する勇気があったからです」「結果がどうなるかを見ましょう。政府が言うことは見ないようにしましょう。誰かが正しいとか間違っているとか言うことに目を向けるのはやめましょう」