フィトールとは?

大麻VAPEに関わる実験結果を考察

/

フィトールとは、大麻にも微量に含まれているテルペンの一つ。

シミの原因になるメラニンの生成や色素沈着を抑制する作用やターンオーバーを促す効果があるとされる。芳香性の植物油であり自然の状態では草のような香りがします。

自然界では、フィトールは有機的な殺虫剤、殺菌剤であり、植物のオイルに害を与える可能性のある望ましくない訪問者を撃退します。

フィトールは、合成ビタミンEやK1を製造する際の前駆体(その物質になる前の状態)であり、食品添加物でもあります。

大麻のベイプにも使われますが、商用に一般的によく使われているのは合成フィトールで、合成フィトールは無臭である。

大麻業界以外では、フィトールはシャンプー、家庭用洗剤、洗浄剤などの製品に化学物質として使用されています。

 

大麻ベイプ業界を揺るがすフィトールに関する文書が公開

2021年6月23日、カナダの大麻規制を行っているカナダ保健省が情報公開法(Access to Information Act: AIA)に基づいて請求された非公開文書を公開。

この研究は、カナダ最大の大麻企業の一つであるキャノピー・グロース社(Canopy Growth Corporation)が行いました。

カナダ保健省に対し今回の情報公開申請を行ったのは、フィトールの大手販売会社トゥルーテルペン社(True Terpenes)の元最高科学責任者デビッド・ヘルドレス(David Heldreth)である。

そこに記載されているベイプ用添加剤フィトールに関する研究結果が、大麻ベイプ業界を揺るがしています。

問題となった文書は、ベイプカートリッジの添加剤フィトールの2020年の安全性調査です。

世界トップの大麻メディアであるリーフリー(Leafly)が7月19日に公開したことで本内容は広がることになりました。

 

キャノピー・グロース社運営の大麻販売店からフィトール含有製品が突如消えていた

2020年8月、キャノピー・グロース社は同社が運営しているカナダの大麻販売チェーン店 Tokyo Smoke からフィトール含有の全てのベイプカートリッジを突然棚から撤去していました。

その5カ月後の2021年1月、医学誌「Inhalation Toxicology」に、フィトールが重度の肺障害を引き起こす…と報告され、大麻規制を行っているカナダ保健省に情報公開法による公開申請を提出した後、2021年6月23日に研究結果の全文が公開されました。

公開された研究資料によると、実験用ラットにフィトールと空気、プロピレングリコール(フィトールとは別の希釈剤)と空気、空気だけを霧状にして与える実験を行いました。

研究者たちは14日間の実験を計画し、ラットに30分、1、2、4、6時間浴びせました。

フィトールの量は噴霧1日目のデータ 
プロピレングリコールは14日間行った上での1日の平均量

(Canopy inhalation toxicology report from 2020)

結果はあまりにひどく、フィトールの実験に関しては14日間の計画をわずか2日で終了させました。

2日目にはフィトールを摂取したラットは正常なラットは1匹もおらず、死亡するか、瀕死(反応しない又はひどく苦しんでいる状態)だったため研究者たちは安楽死させる道を選びました。

プロピレングリコールを浴びせたラットは14日間の噴霧を終えても全員が生存し、後遺症もありませんでした。

フィトールを噴霧したラットは全ての投与グループで急性毒性が確認され、ラットの鼻、喉、肺の組織は壊死し溶けていました。

この結果を受けて、2020年8月にキャノピー・グロース社はフィトール含有のベイプカートリッジの販売を中止しました。

キャノピー・グロース社は、肺への害を「用量依存性」と表現し、フィトールを多く吸い込めば吸い込むほど肺の腫れや出血がひどくなると説明しています。

 

フィトールの人間への影響は?

今回のキャノピー・グロース社の研究は人間にも当てはまるのでしょうか?

典型的な毒性試験の濃度ということですが、今回の実験を人間に置き換えるとミストサウナ室で大量のフィトールを浴びながら連続して休みなくフィトールが通常よりも多く入ったベイプを吸入し続けるような実験です。

これを多すぎて実験になっていないと捉えるか、実験として適正と捉えるかは人それぞれでしょう。

今回の実験では、少量のフィトールを与えられたマウスのデータはなく大量投与の場合には死に繋がる毒となることが分かりました。

ここからは、筆者の考えです。

人間の場合、水の致死量は一度に6リットルと言われています。

日本人がほぼみんな大好きな醤油は一度に1リットルの摂取が致死量になります。

2つのグループに人間を分け、身体への影響を調べるために醤油2リットル、水2リットルをそれぞれのグループに14日間与える実験を行ったところ、醤油はすぐに死亡し実験を中止。水のグループは14日間を終えても全員健康でした。

今回の実験に関しては、このような内容の実験なのではないか?と感じました。

今回のような実験を大々的に世界トップの大麻企業キャノピー・グロース社が行い、世界トップの大麻メディアであるリーフリーがこのタイミングで発表したのには何か違う意図があるのでは?と個人的に2つの理由を感じました。

 

1、非合法製品を一掃するためのキャンペーンの可能性

合法の大麻製品は、ラボでのテストを課され含有成分の証明や情報開示などが地域によって義務付けられています。

そのため、「THC○○%含有」といった成分表示において成分が少なく表示されてしまうため、多くの傘増しをするような事業者はあまりいません。

非合法の違法市場やまだ法律の整備がされていない地域では、情報開示の義務、試験の義務、効力の証明も必要なく儲けるために安価に傘増しできる物質を使用したい事業者もいます。

なぜなら、50リットルの大麻オイルに50リットルの物質を混ぜると100リットルの製品を売ることができます。

合法地域では、税金などの関係でどうしても製品が高く売上が伸び悩み、違法市場に顧客が流れている現状があります。違法市場に顧客が流れないように政府が頑張って様々なキャンペーンを行っています。

そのため、違法市場から合法市場へ顧客を移らせるために今回のようなネガティブキャンペーンを行った可能性があります。

 

2、大企業による中小企業潰し

キャノピー・グロース社はなぜ突然このような実験を始めたのでしょうか。

今回の発表に際してキャノピー・グロース社は自社製品ではフィトールを使用していないが、他社製品にフィトール含有製品があり興味を持ったと述べています。

自社で使用する可能性があるのであれば、人間が摂取する程度の量でも行うのでは?

意図的に他社の製品は危険であると告発することで、より業界で優位になろうとしたのでは?とも感じました。

また、キャノピー・グロース社は自分たちのタイミングで製品を撤去できましたが、それ以外の該当製品を保持している会社はある日突然販売できない在庫となり処分することになります。

 

しかし、日本を含め情報開示の義務がなく、規制のない地域ではメーカーは自由にやりたい放題できます。

悪徳業者や利益第一主義の業者は顧客の健康を考えずに製品開発を行うでしょう。

そこには一定の注意が必要です。

 

だからと言って規制をどんどんかけ「販売するためには、これが必要。これも必要。ここに申請し毎年これだけ納めなさい。危険なので免許更新の基準を上げます」となると何が危険かを政府機関と共に作り上げるような大資本のみが生き残るような業界になってしまいます。

Most(大量生産品)よりもBest(良いもの)を使いたい私にとっては小規模事業者を守ることを応援したい。

そして、新型コロナウイルス騒動もそうですが大組織が発表するデータの記事のタイトルに惑わされないような人が増えるよう願っています。

石井 竜馬

海外の大麻企業(栽培・加工・販売免許を保持して6年目)に投資家として関わる。コロナ騒動を機に日本で山暮らし開始。標高1,000mの地で井戸を掘り、湧き水と共に農的暮らし。珈琲焙煎士でもある。ヨガ歴19年。

↓ おひねりお待ちしてます。

コメントする

Your email address will not be published.

Recent Articles

大麻の税収はアルコールの税収を超える

現在米国では18州が嗜好用大麻を合法化していますが、国際的な金融グループ「バークレイズ(Barclays)」のストラテジスト(投資戦略専門家)によると2020年に170億ドル(約1兆9,200億円)を...

WHOがクラトムの国際的禁止勧告を終了

東南アジア原産のコーヒー科の植物である「クラトム(Kratom)(日本での省令名:ミトラガイナ・スペシオーサ)」について、解禁派・規制派で論争が起こっていました。 処方箋オピオイドに代...

麻布学園と大麻

全国に数多くある私立中高一貫校の中で、戦後の中高一貫校1期生から70年以上連続で東大合格者数トップ10から一度ももれたことのない学校が1校だけ存在します。 それは、東京都港区に位置する超進...