CB2 (Cannabinoid – 2)Receptor
カンナビノイド受容体 2型
CB2受容体は、体内のエンドカンナビノイドシステム(ECS)という大切な役割に関わるカンナビノイド受容体の一つ。
カンナビノイド受容体は、CB1受容体とCB2受容体の2つが存在しています。
CB2受容体とは?
人体には、ホメオスタシス(恒常性維持)という身体を適切に一定の状態に保とうとする働きがあります。
体温は高いか低いか、ホルモンの状態は適切か?心臓の鼓動は速すぎないか?休息は必要か?血液や細胞の中に何か溜まっていないか?と体内の機能を継続的にモニターし続け、適切な範囲を外れていると体はエンドカンナビノイドシステムを作動させて体内の働きを修正します。
「カンナビノイドとカンナビノイド受容体無しで人間の健康はありません」
CB2受容体は、エンドカンナビノイドシステムの一部です。
CB2受容体は、主に免疫細胞に存在し、免疫細胞は血流を介して体や脳を循環していますが、脾臓(ひぞう)や骨、一部の肝細胞などの臓器にも存在しています。
CB2受容体の役割
免疫システムを調節し、炎症を制御する重要な役割を果たしています。
CB2受容体が大きく活性化されるのは、炎症や怪我のときです。体が炎症状態にあるとき、エンドカンナビノイドシステムが働き正常な非炎症状態に戻します。
American Pain Societyが発表した研究によるとCB2受容体の活性化は、オピオイドの慢性使用による炎症反応を抑制する可能性があり、オピオイド依存症や耐性の治療に役立つ可能性があるそうです。
また、CB2受容体を活性化することで脳卒中の症状を最小限に抑えることができる可能性があります。アメリカ心臓協会(American Heart Association)とアメリカ脳卒中協会(American Stroke Association)の研究によると、脳卒中による神経損傷の大部分は炎症によるものであることから、CB2受容体は脳卒中患者の神経保護に効果があるとしています。
CB2受容体と結合する代表的なカンナビノイド
大麻を摂取しなくとも体内で生成されるアナンダミドと2-AGというカンナビノイドがCB2受容体と結合します。
中でも2-AGとは強力に結合し、アナンダミドとは弱く結合します。
これらのカンナビノイドがCB2受容体と結合すると免疫系の調節に関連する多くの体内の活動が開始されます。
また、大麻の主要成分であるTHCもCB1受容体と弱く結合し、大麻のテルペンの一つであるカリオフィレンもCB2受容体に作用することが分かっています。
CBDは、直接結合はしないものの間接的に好影響を与えていると考えられています。
CNR2遺伝子とCB2受容体
CNR2遺伝子がCB2受容体を生成しています。この遺伝子という名の設計図が人それぞれ異なっていることがカンナビノイドの効能が人によって異なる理由の一つと考えられています。