医療効果や健康、美容など様々な効果を持つCBDが注目を集めています。しかし、そのCBDはCBDAがなければ存在しません。
そんなCBDAについて、見ていきましょう。
CBDAとは
Cannabidiolic Acid(カンナビジオール酸)とも呼ばれる大麻の多種多様なカンナビノイドのうちの一つ。
CBDという有名なカンナビノイドがありますが、CBDAは、CBDの前駆体(その物質になる前の状態のこと)です。
CBDAは、どのようにしてCBDになるか
CBDAは、脱炭酸(加熱)することで、Acid(酸)が除去され、CBDAはCBDになります。
THCAは、脱炭酸前は多幸感や精神活性作用はなく、脱炭酸プロセスによって活性型に変化し体内に効能を与えます。
CBDも同じように脱炭酸プロセスによって活性型の CBDに変化し体内に効能を与えると考えられ、脱炭酸無しではカンナビノイドは役に立たないと考えられてきましたが、研究によって新たな事実が分かってきました。
CBDAの効果
うつ病
CBDは、うつ病の治療薬として期待されていますが、CBDAはCBDと同じカンナビノイド受容体(不安感や幸福感をコントロールする受容体)に作用するだけでなく、CBDの場合に必要とする量の10~100分の1の量で抗うつ剤として作用することを発見しました。
てんかん
CBD由来のてんかん治療薬エピディオレックス(Epidiolex)のメーカーであるGWファーマシューティカル社(G.W. Pharmaceuticals)は、CBDAのてんかんへの使用に関する特許を取得し、その可能性を研究しています。うつ病のCBDAと同様に、CBDAもCBDよりも低用量でてんかんに効く可能性があると考えています。また、CBDAはより早く効果を発揮し、CBDはより長く効果が持続することが分かり、この2つを併用することで最も効果的に作用するのではと考えられ研究が進められています。
吐き気
不安や幸福感をコントロールするカンナビノイド受容体が、吐き気や嘔吐にも影響を与えていることが分かっています。CBDAがこの受容体に作用して、不快な状態を落ち着かせます。吐き気や嘔吐を止める目的のためにはCBDよりもCBDAの方がより効果的であるという研究結果が出ています。
抗炎症作用
CBDAは、優れた抗炎症作用も持っています。炎症や痛みを引き起こす酵素であるシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)を阻害する薬としてCBDAは期待されています。
乳がん
日本の北陸大学で行われた2012年の研究では、CBDAがどのようなメカニズムで効果を発揮するかについては、さらなる研究が必要ですが、CBDAが悪性の乳がんの成長を抑制する効果があることがわかりました。また、他の研究では、CBDAは乳がん細胞の転移を防ぐことができることが分かりました。
CBDAの摂取方法
脱炭酸プロセスを経ていない、生大麻や生大麻の抽出物を必要とします。
そのため、日本においては入手は難しい状態です。
将来、法改正を迎えて、新鮮な生大麻サラダにしたり、ジュースにしたり、料理に添えたりできる日が日本にも訪れることを願っています。