テルペンとは、大麻の他の植物にも豊富に存在しており、柑橘類、ラベンダー、ミントなどの香りの源となっています。
大麻のテルペンとは?
テルペンは、CBDなどのカンナビノイドと同じ器官で作られます。テルペンは、ハーブの香りの源です。柑橘類のような香りもあれば、ミントやラベンダーのような香り、シナモンのような香りなど大麻の品種によって、様々な香りの種類があります。それぞれのテルペンは一つ一つ役割が異なり、炎症を抑制するもの、痛みを和らげるもの、リラックスするもの、脳を活発にするものなど効果も様々です。
なぜ、大麻はテルペンを作るのか?
昆虫や動物に食べられないようにするため、昆虫を引き寄せて花粉を運んでもらうため、紫外線から身を守るため、細菌の感染を防ぐため、アレロパシー(他の植物の生長を抑えたりする)のためと考えられています。
大麻のテルペンの効果
鎮静作用を持つテルペン
リナロール、ミルセン、ネロリドール
抗炎症作用を持つテルペン
ビサボロール、ボルネオール、リナロール、ミルセン、ピネン、テルピネオール、ネロリドール
高揚感を与えるテルペン
ゲラニオール、ピネン、リモネン、バレンセン
抗不安作用を持つテルペン
カリオフィレン、ミルセン、ネロリドール
鎮痛作用を持つテルペン
ビサボロール、フムレン、カリオフィレン
抗菌作用を持つテルペン
オシメン、ピネン、テルピネオール、ネロリドール
大麻のテルペンの種類
大麻には、何百種類ものテルペンの種類がありますが、そのうちの17種類が大半を占めています。
最も一般的な大麻のテルペンを紹介していきます。
効能
強い抗ウイルス作用があります。ヘルペスや最近ではSARS-CoV-2を抑制することが示されています。また、抗菌作用、抗炎症作用も持っています。
香り
オシメンの特徴的なウッディな香りは、香水、石鹸、キャンドル、お香などにもよく使われます。ミント、パセリ、蘭、キンモクセイ、バジルにも含まれています。
効能
カンナビノイド受容体に結合する唯一のテルペン。CB2受容体に結合し、鎮痛作用や抗不安作用などCBDと同様の効果を発揮します。また、いくつかの研究によってカリオフィレンはアルコールやタバコの依存症の治療に役立ち、アルコールの離脱症状を緩和する可能性があることが示されています。他の研究では、カリオフィレンはマウスの睡眠時間を増加させました。
香り
スパイシーな香り。カリオフィレンは、ブラックペッパー、シナモン、クローブ、オレガノ、バジル、ビールの原料であるホップなど一般的なハーブやスパイスに多く含まれています。
効能
デルタ3 – カレンは、骨折や靭帯の治癒を促進することで知られており、骨折をサポートするための外用薬に多く使用されています。また、カレンは、アルツハイマー型認知症にも効果があるという報告もあります。カレンを多く含む他のハーブの多くは、アルツハイマーの治療や記憶形成のサポートに使用されてきた長い歴史がありますが、現代医学においては、効果を証明する公式な研究はありません。
香り
柑橘類や独特のフレッシュパイナップルのような香り。ローズマリーやバジル、松にも含まれています。
効能
強力な抗酸化作用があり,特にビタミンCと組み合わせると効果的です。また、血流中のコレステロールと中性脂肪レベルを下げ、心臓と循環器系を保護する効果があります。抗炎症作用、抗菌作用もあり、炎症性皮膚疾患を治療するスキンケア製品にも含まれています。
香り
刺激的な香りを持ちます。。カンフェンは、モミの木の主成分でもあります。
効能
ガン細胞が抗ガン剤に抵抗する力を低下させることが分かっています。現在、ゲラニオールや合成誘導体をガン治療に取り入れる方法を模索している研究チームがあります。
香り
心地よいフルーティーな香りで、ほのかに柑橘系の香りがします。レモン、タバコ、ゼラニウム、シトロネラにも含まれています。
別名ユーカリプトール (Eucalyptol)
効能
気管支を広げ、細菌を殺し、痰(たん)の排出を促進するなど、呼吸器系に強い影響を与えます。シネオールを多く含むハーブは、喘息、気管支炎、肺炎、たばこの煙などが原因で肺が炎症を起こし呼吸が辛くなる症状によく使用されます。
香り
ミントの香り。シネオールは、別名ユーカリプトール (eucalyptol)と呼ばれる通り、ユーカリの木に最も多く含まれています。バジル、ローズマリー、セージ、ティーツリーにも含まれています。
効能
α-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオール、δ-テルピネオールと4つのタイプがありますが、効果にはほとんど違いがありません。
強力な抗酸化作用、抗炎症作用、抗菌作用があることが示されています。テルピネオールの濃度が特に高いハーブは、咳や風邪、インフルエンザなどの呼吸器系疾患の治療に用いられるものが多いです。
香り
ライラックの特徴的なフローラルな香り。テルピネオールは様々な植物に含まれており、特にユーカリ、リンデンフラワー、ライラック、松などに多く含まれています
効能
テルピノレンは、抗菌性を持っています。また、最近の研究では、動物実験において、テルピノレンが脳腫瘍を強く抑制する効果があることが示されました。他の研究では、テルピノレンが抗ガン剤治療の重要なターゲットであるプロテインキナーゼBを阻害できることが示されました。テルピノレンは鎮静作用もあり、マウスに鎮静効果をもたらすことが示されています。
香り
心地よい甘い松の香り。ライラック、ナツメグ、ティーツリー、クミン、ローズマリー、りんご、針葉樹にも含まれています。
効能
強い抗菌性があります。また、抗生物質への耐性を阻害する働きが見つかっています。他の研究では、強力な鎮静作用とリラックス効果があることが分かっており、ネロリドールを多く含むCBDオイルは、ストレスや不安のサポートに最適です。
香り
花や木を感じさせる香り。ネロリドールは、ジャスミンやラベンダーなどのハーブに多く含まれています。レモングラス、ジンジャー、ティーツリーにも含まれています。
効能
紫外線から肌を守る働きがあることが分かっています。UVカット効果と心地よい柑橘系の香りの組み合わせにより、日焼け止めローションの一般的な成分となっています。また、抗炎症作用や抗アレルギー作用もあります。
香り
柑橘系の香り。バレンセンの名前は、バレンセンが豊富に含めれているバレンシアオレンジに由来しています。
効能
強力な抗酸化作用、鎮痛作用、傷を癒す作用があります。特に関節炎の症状を抑えるのに役立ちます。また、抗炎症・抗アレルギー効果も期待でき、特性と刺激の少なさからアトピーや乾燥ケアにも活用されます。
香り
ビサボロールは、カモミールにも多く含まれており、特徴的な花の香りを作り出しています。
効能
ピネンには、αピネンとβピネンの2種類があり、効果は非常によく似ています。ピネンには、強力な抗炎症作用、神経保護作用、抗酸化作用、抗菌作用があります。また、脳への血流を改善し、アセチルコリンエステラーゼという酵素を阻害することで、認知機能改善効果があると考えられています。ピネンを豊富に含むハーブは、風邪やインフルエンザ、喘息、気管支炎など呼吸器系に治癒によく使われます。ピネンを多く含むCBDオイルには、活力を与え、気分を高揚させ、神経を保護する効果があります。
香り
松の香り。ピネンは、松の木に最も多く含まれています。ローズマリー、バジル、パセリ、ディルにも含まれています。
効能
シクロオキシゲナーゼ(COX)と呼ばれる炎症に関わる酵素を阻害することで、強力な抗炎症作用を発揮します。これは、アスピリンなどの医薬品が痛みや炎症を和らげるのと同様のメカニズムです。また、フムレンには食欲抑制効果もあります。
香り
ウッディ、スパイシーな香り。フムレンは、大麻の近縁種であるホップに最も多く含まれています。コリアンダー、チョウジ、バジル、セージ、高麗人参にも含まれています。
効能
強力な抗炎症作用、鎮痛作用、抗凝血作用(血栓の形成を防ぐ)として知られています。ボルネオールを多く含むハーブは、中国などアジア地域で何千年間もの期間、心血管疾患の治療に使用されてきた歴史もあります。
香り
ミントの香り。ボルネオールは、ローズマリーやペパーミント、カンフル(樟脳(しょうのう))にも含まれています。
効能
強い鎮静効果とリラックス効果をもたらすため、ストレス、不眠症、不安解消に適しています。また、ミルセンには抗炎症作用もあり、関節炎や炎症性腸疾患などの症状を緩和します。
香り
カルダモンや土のような香り。マンゴー、レモングラス、タイム、ホップ、イランイラン、パセリ、レモングラス、カルダモンにも含まれています。
効能
主に鎮静作用があり、神経保護作用や抗炎症作用もあります。リナロールを多く含むCBD製品は、睡眠促進や慢性的な痛みの症状を緩和に適しています。鎮静作用があるにも関わらず、花のような香りが心地よく、気分を高揚させる効果もあります。
香り
フローラルな香り。ラベンダー、シナモン、コリアンダー、白樺の樹皮などに含まれています。バーチ、ローズウッド、ローリエ、スイートバジルにも含まれています。
効能
気分を高揚させる効果があり、気分やエネルギーレベルに良い影響を与えます。
香り
特徴的な柑橘系の香り。ライムやレモンのような柑橘系の果物には、驚くほど高濃度のリモネンが含まれています。ローズマリーやジュニパー、ペパーミントにも含まれています。
レモンのような香りを持つ大麻を作りたい場合は、強いレモンの香りを持つ大麻を選んで次の世代に引き継ぐなど、育種家が選択して交配を行い、大麻のテルペンの種類や含有量は、日々進化しています。
テルペンとカンナビノイドのアントラージュ効果による相乗効果を狙った製品も今後の研究によって出てくるでしょう。
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