カリフォルニア州、過去の大麻の犯罪記録に対する救済措置を9割完了

米国カリフォルニア州司法省が公開した最新の報告書によれば、今年4月時点で、同州で2016年以降に合法となった内容の大麻関連の犯罪記録のうち約9割において、封印や再判決などの救済措置が完了しています。

カリフォルニア州では住民投票により2016年に嗜好用大麻が合法化。この法案には、合法となった内容の大麻関連の犯罪記録に対し、救済を求めることを可能にする内容が含まれていました。

その2年後、ギャビン・ニューサム（Gavin Newsom）州知事はこれらのプロセスを自動化する法案に署名。しかし、この法案が2019年に施行されたにも関わらず、多くの人々が救済を得られないままとなっていました。

この状況に対処するためカリフォルニア州は2022年秋に法案「AB1706」を承認。この法案は、未だ犯罪記録の封印や再判決がなされていない人々に対する救済措置を促進するため、裁判所にその実施期限を設けたもの。これにより、州内の裁判所はこれらの人々に対する救済措置を2023年3月1日までに行い、州司法省は四半期ごとにこの進捗状況を報告することが義務付けられました。

今回新たに公開された報告書はこの法案に準じたもので、報告書が公開されたのは同法案の施行からこれで2回目となります。

救済措置の対象となる大麻犯罪記録は州内で推定227,650件であり、報告書によれば2023年4月6日の時点で、このうち206,052件（約90.5%）において措置が完了。なお、2023年3月に公開された最初の報告書では、2023年1月時点でこの数は197,205件でした。

この報告書に対するNORMLの記事では、「アラメダ郡、アマドール郡、マリン郡、トリニティ郡など、あまり進展していない郡があります。エルドラド郡、フンボルト郡、カーン郡、マデラ郡、ナパ郡、リバーサイド郡、サクラメント郡、サッター郡では顕著な前進が見られ、その他の郡でもわずかながら前進が見られました。インペリアル郡はわずか7.9％の遵守率で最下位となり、潜在的な有罪判決1,767件のうち258件しかクリアしていません」と述べられています。

未だ救済措置を待っている人々は残っているものの、合法となっている内容の大麻関連の犯罪記録を有するカリフォルニア州民の9割は現在、雇用、銀行、教育など、生活における約44,000種類の分野で差別を受けることがなくなっています。