カリフォルニア州、麻薬戦争で害を受けた人々に大麻の税収から70億円以上を授与

カリフォルニア州、麻薬戦争で害を受けた人々に大麻の税収から70億円以上を授与

/

5月25日、カリフォルニア州知事ビジネス・経済開発局(Go-Biz)は大麻の税収を財源とし、麻薬戦争で不釣り合いな影響を受けたコミュニティに対し5,000万ドル(約70億円)以上を提供したことを発表。Go-Bizによるこの資金提供は、州内で嗜好用大麻の販売が開始された2018年以降、5年連続となります。

この資金提供は「カリフォルニア州地域再投資助成金(California Community Reinvestment Grants)プログラム」に基づいて行われています。同プログラムでは、麻薬戦争によって不釣り合いな影響を受けたコミュニティの活動を支援するため、地域の保健所や非営利団体に対し助成金が交付されます。

これらの助成金は、精神衛生上の問題及び物質使用障害の治療、就職支援、法的サービス、医療への連携といった取り組みを支援するために用いられます。

同プログラムの助成金は年々増加しており、今年提供された助成金は昨年と比べ、約1,500万ドル(約21億円)の増加となっています。

この助成金の財源は大麻の物品税や栽培税から賄われています。しかしながら、税金・料金管理局(Department of Tax and Fee Administration)が最近発表したデータによれば、カリフォルニア州の2023年第1四半期の大麻の売上高は、新型コロナウイルスのパンデミック以降最低となる約12億5,000万ドル(約1,750億円)にまで落ち込んでいます。

なお、2022年には嗜好用大麻の販売を開始して以降、初めて年間売上高の減少を記録。同州の2021年の嗜好用大麻の年間売上は57億7,000万ドル(約8,100億円)であったのに対し、2022年は53億ドル(約7,440億円)に留まり、8.2%の減少となっています。

この減少には、大麻に関連する税金の高さ、違法市場との競争、州内で大麻のアクセスがまだ限定的であることなどが背景にあると考えられています。

様々な問題に直面しているものの、カリフォルニア州は今年に入り、大麻関連で様々な資金提供を行っています。

今年2月には、大麻小売店が少ない市や郡において合法市場へのアクセスを高めることを目的とし、販売ライセンス拡大に向けた助成金プログラムを開始することを発表。このために大麻管理局は、最大2,000万ドル(28億円)の資金を地方自治体に提供する予定です。

同月、大麻管理局は麻薬戦争により不釣り合いな影響を受けてきた人々に対する公平性プログラムの促進のため、1,500万ドル(約21億円)の助成金を地方自治体に拠出。

さらに、大麻管理局は4月、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)を含む16の学術機関に対し、大麻の研究のために約2,000万ドル(約28億円)の助成金を交付しています

Marijuana Moment「California Officials Award More Than $50 Million In Marijuana Tax-Funded Community Reinvestment Grants」https://www.marijuanamoment.net/california-officials-award-more-than-50-million-in-marijuana-tax-funded-community-reinvestment-grants/

California Governor’s Office of Business and Economic Development (GO-Biz)「California Community Reinvestment Grants Program」https://business.ca.gov/california-community-reinvestment-grants-program/

MJBizDaily「Q1 cannabis sales in California fall to $1.25M, lowest level since pandemic」https://mjbizdaily.com/1st-quarter-cannabis-sales-in-california-fall-to-1-25-million/

Marijuana Moment「California Awards $15 Million In Grants To Support Local Marijuana Equity Programs」https://www.marijuanamoment.net/california-awards-15-million-in-grants-to-support-local-marijuana-equity-programs/

High Times Magazine「California Cannabis Sales Declined in 2022」https://hightimes.com/news/california-cannabis-sales-declined-in-2022/

廣橋 大

麻マガジンライター。看護師国家資格保有者。2021年より大麻の情報発信に携わる。

Recent Articles

米国医師会、違法薬物の非犯罪化を支持

現地時間6月12日、米国医師会(AMA)はシカゴで開催された年次総会において、違法薬物の非犯罪化を正式に支持する決議案を採択しました。 米国医師会は世界で最も権威ある医学会の1つであり、...

THC使用が終末期患者の生存期間延長と関連

ドイツの終末期患者のデータを分析した結果、THC治療を受けていた患者ではそれ以外の患者よりも生存期間が長かったことが明らかにされました。論文は「Medical Cannabis and Cannabinoids」...

南アフリカ、嗜好用大麻を合法化

現地時間5月28日、南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は個人使用目的での大麻の所持・栽培を認める「私用目的の大麻法(Cannabis for Private Purposes Bill)」に...