カリフォルニア州ユーリカが幻覚剤を非犯罪化
カリフォルニア州ユーリカにある著名な建築物「カーソンマンション」

カリフォルニア州ユーリカが幻覚剤を非犯罪化

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10月17日、米国カリフォルニア州のユーリカ市議会は、幻覚作用のある植物や菌類の所持や栽培に対する取締りの優先順位を低くすることを全会一致で承認。州や連邦政府がサイケデリクス(幻覚剤)を違法としている中、ユーリカはサイケデリクスの”事実上の非犯罪化”を実現した最新の都市となりました。

この決議案は、連邦法でスケジュールⅠ(医療効果がなく、乱用の危険が高い)に分類されている幻覚成分(シロシビン、シロシン、イボガイン、DMT、メスカリン)を含む植物・菌類及びこれらの抽出物の所持、栽培、植栽、購入、輸送、配布などに対する取締りを、ユーリカ市において優先しないと規定。

この規定は21歳以上の成人を対象としており、21歳未満の人には適用されません。また、これらの物質の販売・加工、学校内での所持・配布、幻覚作用下での車の運転に関しては、これまで通り取締りが行なわれます。

ユーリカ市議会議員であるスコット・バウアー(Scott Bauer)氏は決議案について、サイケデリクスの非犯罪化は合法化を意味するのではなく、薬物犯罪に対する法執行のための公的資金を別に移すだけであると説明。

また、バウアー氏を始めとした市議員らは、ユーリカに存在するメンタルヘルスの問題を指摘し、治療抵抗性の病気に対する”治療の選択肢の拡大”を支援することは市にとって助けになると語りました

「現在違法とされているものから得られる医療効果は、全て実際に擁護されたものとなっています。(例えば)大麻は一時期違法でしたが、今では多くの人々にとって薬であると考えられるようになりました」

近年、サイケデリクスはメンタルヘルスを中心とした疾患に対する”画期的治療”として世界的に注目を集めています。その証拠の1つとして、日本の大手製薬会社である大塚製薬も最近、幻覚剤医薬品企業の買収を明らかにしました

ユーリカにおけるサイケデリクスの非犯罪化運動は、地元の擁護団体である「Decriminalize Nature Humboldt」が主導。同団体は「政治及び地域社会の組織化、教育、アドボカシー活動を通じて幻覚作用のある植物や菌類を非犯罪化し、これらの物質へのアクセスを拡大することで、人間の健康と幸福を向上させること 」を使命としています。

同団体の創設メンバーであるジェン・ブルース(Jen Bruce)氏は、イボガイン治療のためにメキシコに渡航した経験について市議会に語り、このような試みには時間とお金が必要であると述べました。

「イボガイン療法を受ける最初の退役軍人の集団と仕事ができて光栄でした。私は多くの個人顧客を抱えていますが、これらの人々は出国する余裕があり、違法にこのような救命治療や魂を救う治療にアクセスできる特権を与えられている必要があります」

「飛行機に乗って、これらの治療を受ける余裕のあるエリート層の顧客だけを連れて行かなければならない一方、私の地域ではこれらの治療を受けられずに苦しんでいる人々のそばをただ通り過ぎなければならないことが不満でした」

すでにカリフォルニア州では、アルケータ、オークランド、サンタクルーズ、サンフランシスコバークレーがサイケデリクスを非犯罪化。今回の決議により、ユーリカは同州でサイケデリクスを非犯罪化した6番目の都市となりました。

一方、カリフォルニア州知事はこの10日前、州レベルでのサイケデリクス合法化法案に対し拒否権を発動しました

連邦法で違法とされている中、州レベルではコロラド州オレゴン州がサイケデリクスを合法化しています。

カリフォルニア州以外の都市では最近、ミシガン州のファンデールマサチューセッツ州のセイラムミネソタ州のミネアポリスメイン州のポートランドがサイケデリクスを非犯罪化しました。

現在、米国食品医薬品局(FDA)はMDMAとシロシビンによる治療を「画期的治療薬(Breakthrough Therapy)」 に指定しており、今年5月には米国医師会(AMA)がこれらの治療に対する医療コード(CPTコード)を承認しました

このような流れの中、米国民のサイケデリクスに対する認識はポジティブなものに変わりつつあります。

今年3月に公開された調査によれば、米国有権者の半数以上が、医療目的でのサイケデリクスの合法化や個人使用目的でのサイケデリクスの非犯罪化を支持しています。

カリフォルニア州立大学バークレー校が7月に公開した調査でも、米国有権者の61%が規制のもとでサイケデリクス治療にアクセスすることを支持。さらに、56%がサイケデリクスはFDAによって処方箋医薬品として承認されるべきと考えていることが明らかにされました。

Marijuana Moment「After California Governor’s Psychedelics Bill Veto, Another City Council Approves Decriminalization Resolution」https://www.marijuanamoment.net/after-california-governors-psychedelics-bill-veto-another-city-council-approves-decriminalization-resolution/

Times-Standard「Eureka council OKs letter supporting hallucinogen decriminalization」https://www.times-standard.com/2023/01/19/eureka-council-oks-letter-supporting-hallucinogen-decriminalization/

Psychedelic Spotlight「EUREKA BECOMES THE 6TH CITY IN CALIFORNIA TO DECRIMINALIZE PSYCHEDELICS」https://psychedelicspotlight.com/eureka-california-becomes-the-5th-city-in-california-to-decriminalize-psychedelics/

廣橋 大

麻マガジンライター。看護師国家資格保有者。2021年より大麻の情報発信に携わる。

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