カリフォルニア州、警察官志願者に大麻使用歴を尋ねないことを決定

12月12日、米国カリフォルニア州の警察当局は今年10月に成立した法律に基づき、雇用規定を改定。これによれば、他の職種と同様に、カリフォルニア州の警察官志願者は過去の大麻使用について尋ねられることはありません。

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム（Gavin Newsom）州知事は10月7日、雇用主が求職者に過去の大麻使用について尋ねることを禁止する法案「SB700」に署名しました。

カリフォルニア州警察官基準・訓練委員会は同法に従い、警察官志願者が雇用時に記入する質問票において、過去の大麻使用について尋ねる項目を削除。

これまでは過去6ヶ月間または生涯に違法薬物を使用したことがあるかどうかを尋ねる項目がありましたが、今後は大麻の使用のみであれば回答する必要はありません。

ただし、ネバダ州とは異なり、大麻を含む前科に関する情報については今後も「開示しなければならない」とカリフォルニア州警察官基準・訓練委員会は述べています。

ネバダ州では最近、過去に大麻関連の活動で有罪判決を受けていたとしても、現在合法となっている内容のものであれば、警察官に志願することを可能とする提案が採択されています。

法案「SB700」は、昨年に承認された法案「AB2188」を拡大するものとなっています。AB2188では、州法に従って勤務時間外に大麻を使用していることのみを理由として、雇用主が従業員を解雇・差別・罰することを”違法行為”と規定。

雇用主は従業員に対し大麻検査を実施することは可能ですが、たとえ陽性反応が出たとしても、これだけで従業員が差別されるようなことはありません。

これについて、立法府は「これらの代謝物（尿中から検出されるTHC-COOH）は機能障害を示しているのではなく、個人が過去数週間に大麻を消費したことを示しているだけである」と説明しています。

SB700及びAB2188は2024年1月1日より施行されます。ただし、これらは連邦政府による身元調査やセキュリティクリアランス（適格性審査）を要する職種、建築業など一部の職種では適用されません。

「AB2188」の内容が州内の警察官にも適用されるのかについては、今後警察官基準・訓練委員会において方針が決定される予定です。

なお、ニュージャージー州の警察官は今年2月より、ほとんどの状況において大麻検査を受ける必要がなくなっています。