カナダ 大麻エクササイズタックス(特別消費税)の軽減措置見送り 

/

先日、カナダ保健省大臣マーク・ホランド氏とメンタルヘルス・依存症大臣ヤアラ・サクス氏は、大麻取締法の見直しに関する最終報告書を発表しました。報告書の中にある推奨案では、大麻生産者に課されるエクササイズタックス(特別消費税)の減税が明記されており、事業者から大きな期待が寄せられていました。現在、カナダの大麻市場は拡大を続けていますが、特に小規模な生産者は過剰な税負担により利益確保に苦戦している状況が続いています。 

2018年に大麻が合法化された際に設定されたエクササイズタックス(特別消費税が採用されている現在、生産者は州政府と連邦政府の両方に売上全体の約30%以上に相当する税金を支払っている状況が続いています。合法化時に税率は販売価格の10%または1グラムあたり1カナダドルのいずれか高い方を支払う必要があると設定されましたが、当時の平均販売価格は1グラムあたり10カナダドルと想定されていました。しかし、現在の平均価格は半分以下に落ち込んでおり、1グラムあたり1カナダドルという固定税額の税率が生産者にとって大きな負担となっています。 

この報告書発表の内容を受け、2024416日にカナダ政府は2024年度予算を発表しましたが、大麻事業者から期待されていたエクササイズタックスの税率変更は含まれておらず、業界は引き続き高い税率に直面することが確定しました。この結果、カナダの大麻事業者の経済的な負担は依然として続くこととなります。 

Shinji

カナダ在住。大麻メディア兼大麻関連事業コンサルティングCJC Advisory Networkの創設者。同社は日本を拠点とするCBD企業と国際的なパートナーや投資家のネットワークとしても機能する。

Recent Articles

ブラジル最高裁、大麻の少量所持を非犯罪化

現地時間6月27日、ブラジル最高裁は個人使用目的での大麻所持に対する刑事罰を撤廃する判決を下しました。 この判決は数日以内に発効され、ブラジル国民は今後少なくとも18ヶ月間、40g以下の大...

ポーランドで医療用大麻の処方が急増中

中央ヨーロッパの国ポーランドでは医療用大麻の処方が急増しており、その影響は大麻に対する国民の認識にも及んでいます。 2024年2月の世論調査によれば、ポーランド国民の73.4%が大麻の単純所...