BC州サーレー市でディスペンサリー営業ライセンスをめぐる争奪戦が開始

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カナダが嗜好大麻を合法化した2018年から6年経った2024年、BC(ブリティッシュコロンビア)州にあるサーレーは、市内での嗜好大麻の販売を行うディスペンサリー事業の許認可をめぐり住民から意見を募集していましたが、今週48日月曜日に行われた市の会議で全会一致で可決し、この計画を進めることを発表しました。 

これによりサーレー市において嗜好大麻の販売ライセンスの取得を目指す争奪戦が始まる事が予想され、間もなくライセンス取得のための申請受付が開始される事になりました。 

今回許可される予定のライセンスの数は12。サーレー市は6つの地域に分かれており、各地域に2店舗ずつ販売許可がおりる予定になっています。 

人口60万人を超えるサーレー市は、BC州でバンクーバーに次いで第2の都市です。BC州では現在バンクーバーで81店舗のディスペンサリーが認可を受けており、人口約15万人の近隣都市ラングレーには2店舗、人口約10万人の近隣都市デルタには6店舗が認可を受けています。西側に隣接する人口約20万人の都市でバンクーバー空港があるリッチモンド市では今でもディスペンサリーの営業は許可されていません。 

毎年カナダでは犯罪率、犯罪の種類、人口などから割り出されるCrime Index(犯罪指数)によってカナダの都市の危険度をランクづけしており、サーレー市は2023カナダで最も危険な都市の1に選出されています。 

サーレー市は違法薬物取引の温床となっており、無許可で大麻やマジックマッシュルーム、サイケデリックドラッグなどの販売を行うブラックマーケット組織が数多く存在しています。それらの組織はインターネット上で販売を行い、購入者に配達なども行なっています。 

これらのビジネスは一見安全そうに見えますが、ギャングが絡んでいたり、揉め事などから発砲事件に発展するケースも複数見られています。 

また、それらのビジネスが販売する大麻製品やサイケデリック製品には政府の抜き取り検査でも汚染など品質に問題点が確認されており、非常に大きな問題となっています。 

コロラド州立大学が行なったリサーチによると、カナダで販売されている非合法な大麻製品の92%から23種類の農薬が検出されたと報告しています。 

今回のサーレー市でディスペンサリー事業を許可する動きは、これらブラックマーケットで利益を上げるビジネスを駆逐し、市の治安を向上させる事が期待されています。 

Engage Surrey「Retail Cannabis in Surrey」https://engage.surrey.ca/cannabispolicy

Immigration News Canada「Top 10 Most Dangerous Cities in Canada 2024 | New List」https://immigrationnewscanada.ca/most-dangerous-cities-in-canada-2024/

Globalnews「RCMP issue warning about toxic drugs circulating in North Surrey」https://globalnews.ca/news/10143523/surrey-drug-warning/

CBC「RCMP say ‘significant’ drug ring in Metro Vancouver dismantled」https://www.cbc.ca/news/canada/british-columbia/police-drug-marking-arrests-1.7124195

Journal of Cannabis Research「High levels of pesticides found in illicit cannabis inflorescence compared to licensed samples in Canadian study using expanded 327 pesticides multiresidue method」https://jcannabisresearch.biomedcentral.com/articles/10.1186/s42238-023-00200-0

Shinji

カナダ在住。大麻メディア兼大麻関連事業コンサルティングCJC Advisory Networkの創設者。同社は日本を拠点とするCBD企業と国際的なパートナーや投資家のネットワークとしても機能する。

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