米国のネバダ州警察官基準・訓練委員会(POST)はこの度、警察官の採用基準を改正する提案を正式に採択。これによれば、過去に大麻関連の活動で有罪判決を受けていたとしても、現在合法となっている内容のものであれば、警察官に志願することが可能とされています。
ネバダ州は2017年に嗜好用大麻を合法化。21歳以上の成人は1オンス(28グラム)までの乾燥大麻、8分の1オンス(約3.5グラム)までの濃縮大麻の所持が可能となりました。
今年6月にはさらに規制が緩和され、乾燥大麻は2.5オンス(約71g)まで、濃縮大麻は4分の1オンス(約7g)まで所持できるようになりました。
ネバダ州では、「規制薬物の不法使用、販売、所持に関わる犯罪で有罪判決を受けた者」は警察官になることができません。しかし、今回ネバダ州警察官基準・訓練委員会で採択された改正案では、特定の大麻関連の前科に関しては”例外”とされています。
これによれば、「大麻の不法使用、販売、所持に関わる犯罪で有罪判決を受けた者は、警察官としての認定申請書を提出した時点でその犯罪が違法でなければ」、警察官になるための資格が奪われることはないとされています。
また、「この変更により、これまで不適格とされていた候補者にも警察官の職を得る資格が与えられることになり、各機関にとって採用の幅が広がる可能性がある」と述べられています。
ただし、採用された警察官が大麻を使用することは、勤務時間外であったとしても引き続き禁止となります。
これまでネバダ州警察は、大麻に関してゼロトレランスポリシーを採用してきました。
実際、ネバダ州警察官基準・訓練委員会の管理マニュアルには、「他の精神作用のある薬物と同様に、警察官という職業にマリファナを使用する余地はないと強く信じている」と記載されています。
また、このマニュアルは州内の法執行機関に対し、たとえ勤務外であったとしても、嗜好用途や医療用途を問わず、大麻の使用を禁止するよう強く求めています。
このように厳格な姿勢を貫いてきたネバダ州警察が雇用において大麻の規制を緩和したことは、同州において大きなマイルストーンとなりそうです。
なお、ニュージャージー州の警察官は今年2月より、ほとんどの状況において大麻検査を受ける必要がなくなっています。
ネバダ州は2019年より、雇用時の大麻検査で陽性反応が出たことを理由として、求職者の雇用を拒むことを禁止。これにより、ネバダ州は雇用において大麻使用者を保護する全米初の州となりました。
これ以降、コネチカット州、モンタナ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、カリフォルニア州、ロードアイランド州が同様の法律を採用。2023年に入ってからは、ワシントン州、ワシントンD.C.が新たにこの仲間入りを果たしました。
最近では、ミシガン州が州機関への就職希望者に対する大麻検査を廃止する雇用方針を採用。他にも、カリフォルニア州では来年1月より、雇用主が求職者に過去の大麻使用について尋ねることを禁止する法案が施行されます。
なお、ネバダ州は10月、公共の場で大麻を消費できる「大麻ラウンジ」のライセンスを新たに6件承認。早ければ来年の春に州内初の大麻ラウンジがオープンする見込みです。
Marijuana Moment「Nevada Officials Approve Plan To Let People With Marijuana Convictions Become Police Officers」https://www.marijuanamoment.net/nevada-officials-approve-plan-to-let-people-with-marijuana-convictions-become-police-officers/
Clark County Bar Association「Nevada Prohibits Pre-Employment Discrimination for Marijuana Use」https://clarkcountybar.org/nevada-prohibits-pre-employment-discrimination-for-marijuana-use/
MJBizDaily「Marijuana MSOs among 6 new consumption lounge licensees in Nevada」https://mjbizdaily.com/marijuana-msos-among-6-new-consumption-lounge-licensees-in-nevada/
Business of Cannabis「Nevada Cannabis Authority Approves 6 New Conditional Consumption Lounge Licences」https://businessofcannabis.com/nevada-cannabis-authority-approves-6-new-conditional-consumption-lounge-licences/