ワシントン州、大麻使用を理由に求職者を差別することを禁止

ワシントン州、大麻使用を理由に求職者を差別することを禁止

/

5月9日、米ワシントン州知事は合法的な大麻使用を理由として、雇用主が求職者に対し差別することを禁止する法案に署名しました。

この法案(SB5123)は民主党の上院議員カレン・カイザー(Karen Keiser)氏によって提出されたもの。4月半ばに州議会で可決され、ジェイ・インスレー(Jay Inslee)州知事の元へ送られていました。

同法案は、雇用主が求職者に対し、勤務外での合法的な大麻使用を理由として、雇用時に差別することを禁止しています。ただし、航空会社、安全に配慮が必要な職種、連邦政府の身元調査やセキュリティクリアランス(適格性審査)を要する職種に関しては例外とされています。

また、この法案は求職者を保護する法案であり、雇用後の従業員を保護するものではありません。そのため、雇用主は従業員に対しては、勤務時間外の大麻使用を禁止することが可能なままとなっています。

なお、ワシントン州知事は5月4日、他の合法州と大麻の取引を認める法案にも署名しています

大麻合法州において、大麻使用を理由として求職者を差別することを禁止したり、労働者による勤務時間外の大麻使用を保護したりする州が増えてきています。

これを初めて法制化したのはネバダ州(2019年)で、これ以降、2021年にコネチカット州、モンタナ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州が、2022年にカリフォルニア州、ロードアイランド州が続いています。そして今回、ワシントン州がこれらに仲間入りしました。

これらの保護は法執行機関やドライバーなどでは例外となっていますが、ニュージャージー州では今年2月、州内の警察官に対する大麻のスクリーニング検査が不要となることが明らかにされており、異例の対応となっています。

また、このような動きは今年に入り、米国連邦機関においてもみられています。

米連邦政府の人事管理局(OPM)は3月、雇用プロセスにおいて「過去の大麻使用」を寛大に扱うことをホワイトハウスに求めています

同月、アメリカ合衆国国家情報長官(Director of National Intelligence)であるアブリル・ヘインズ(Avril Haines)氏は上院情報委員会の公聴会で、大麻の合法化や非犯罪化が進む中で、過去の大麻使用はセキュリティ・クリアランス(適格性審査)の欠格事由には当たらないと発言しています

4月、米司法省内の連邦法執行機関である「アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局(ATF:Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives)は雇用方針を更新し、州法を遵守して大麻を栽培、製造、販売した求職者を自動的に不適格とはしない方針を明らかにしました

アメリカ合衆国シークレットサービス(USSS:The United States Secret Service)も同じく4月、雇用方針を更新し、大麻の使用に関する規定を緩和しています。

Marijuana Moment「Washington State Governor Signs Bill To Protect Job Applicants From Anti-Marijuana Discrimination」https://www.marijuanamoment.net/washington-state-governor-signs-bill-to-protect-job-applicants-from-anti-marijuana-discrimination/

National Conference of State Legislatures「Cannabis and Employment: Medical and Recreational Policies in the States」https://www.ncsl.org/health/cannabis-and-employment-medical-and-recreational-policies-in-the-states

Marijuana Moment「California Governor Signs 10 Marijuana Bills, Including Interstate Commerce, Employment Protections And Record Sealing」https://www.marijuanamoment.net/california-governor-signs-10-marijuana-bills-including-interstate-commerce-employment-protections-and-record-sealing/

New York State Department of Labor「ADULT USE CANNABIS AND THE WORKPLACE New York Labor Law 201-D」https://dol.ny.gov/system/files/documents/2021/10/p420-cannabisfaq-10-08-21.pdf

Employment Law Lookout「Rhode Island Legalizes Cannabis for Recreational Use」https://www.laborandemploymentlawcounsel.com/2022/09/rhode-island-legalizes-cannabis-for-recreational-use/

Littler Mendelson P.C.「New Jersey Cannabis Regulatory Commission Issues Workplace Guidance on Reasonable Suspicion Determinations」https://www.littler.com/publication-press/publication/new-jersey-cannabis-regulatory-commission-issues-workplace-guidance

Clark County Bar Association「Nevada Prohibits Pre-Employment Discrimination for Marijuana Use」https://clarkcountybar.org/nevada-prohibits-pre-employment-discrimination-for-marijuana-use/

Montana Code Annotated「Discrimination prohibited for use of lawful product during nonworking hours」https://leg.mt.gov/bills/mca/title_0390/chapter_0020/part_0030/section_0130/0390-0020-0030-0130.html

Connecticut’s Official State Website「Can my employer prohibit me from consuming cannabis products outside of work?」https://portal.ct.gov/cannabis/Knowledge-Base/Articles/Consuming-cannabis-outside-of-work

廣橋 大

精神病院に勤める現役看護師。2021年初頭より大麻使用罪造設に向けた動きが出たことをきっかけに、麻に関する情報発信をするようになる。「Smoker’s Story Project」インタビュアー。

Recent Articles

ジャージー島、大麻の少量所持を非犯罪化

2月7日、イギリス海峡に浮かぶジャージー島の議会は、大麻の少量所持を事実上非犯罪化する法案を可決しました。 チャンネル諸島最大の島であるジャージー島は英国王室の直轄地ですが、強い自治...

世界の大麻合法化状況

現在、大麻はどの地域で、医療用や嗜好用、どのカテゴリーで合法や非犯罪化なのでしょうか?現在の世界の状況をまとめております。