ロードアイランド州、3ヶ月で大麻の犯罪記録23,000件以上を抹消

6月8日、米国ロードアイランド州司法当局は、2023年1月末に最高裁判所が出した行政命令に従い、3ヶ月間で大麻の犯罪記録23,000件以上を抹消したことを発表しました。

ロードアイランド州は2022年5月、21歳以上の成人における1オンス（約28g）までの大麻の所持、6株までの大麻の栽培（成熟した状態は3株まで）を合法化。同年12月には、州内初となる嗜好用大麻販売店がオープンしました。

今年に入り1月末、州最高裁判所のポール・サッテル（Paul Suttell）長官は、州内で合法となっている内容の犯罪記録を自動的に抹消する行政命令を発動。この命令では、前科抹消プロセスが2段階に分けられています。第1段階では、大麻に関連する前科のみを有する人々を対象とし、これらの記録を特定次第、3ヶ月以内に犯罪記録を抹消することが求められました。

第2段階では、大麻関連の前科を含む複数の犯罪記録を有する人を対象とし、大麻の犯罪記録のみを抹消する手続きが行われます。これに関しては、2024年7月1日までに完了することが規定されていますが、迅速な前科抹消を求める人は、裁判所に要請することも可能となっています。

今回、司法当局はこのうちの第1段階が完了したことを発表。期限となっていた4月30日までに、高等裁判所で3,015件、地方裁判所で10,650件、交通裁判所で9,952件、合計で23,000件以上の大麻の犯罪記録を抹消したことを明らかにしました。

州裁判所長官のジュリー・ハミル（Julie Hamil）氏は「大麻犯罪の自動的抹消は、組織的な偉業でした」「このプロセスをタイムリーかつ全体的に実行するために、司法のあらゆるレベルで調整が行われてきました」とコメント。

健康・司法変革センター（Center for Health and Justice Transformation）の事務局長であるメイビス・二モー（Mavis Nimoh）氏は「ロードアイランド州司法当局が大麻犯罪の自動抹消をほぼシームレスに実施したため、多くのロードアイランド州民がその迅速性に感謝しています」「あまりにも長い間、州民に罰則を与えてきた急成長中の経済に州が参入する中、犯罪歴の救済に関する常識的な政策は切実に必要とされています」と述べています。

なお、ダニエル・マッキー（Daniel McKee）州知事は5月、当初予定されていた期限から10ヶ月遅れ、嗜好用大麻市場の規制を担当する「大麻管理委員会」のメンバーを3名指名。来週行われる上院本会議の採決で承認され次第、この3名は正式な委員会メンバーとなる予定です。