米国の2023年大麻売上は290億ドル　アルコール離れが加速

投資銀行「TD Cowen」の最新調査によれば、アメリカにおける2023年の大麻の売上は290億ドル（約4兆1,500億円）であり、アルコールの売上の約11%に相当。今後5年間、大麻の売上は年平均成長率7%で成長し、2027年には370億ドル（約5兆3,000億円）に達する見込みです。

「Cannabis Beats Booze」と題された今回のレポートでは、「消費者がますます大麻を受け入れ、アルコールの消費を控えるようになったため、今後5年間において、大麻カテゴリーでは過去1ヶ月間の消費者が1,800万人増加し、アルコールカテゴリーでは過去1ヶ月間の消費者が200万人減少すると考えられる」と述べられています。

5年前の大麻の売上はアルコールの売上のわずか4%でしたが、州レベルで大麻の合法化が進むにつれ、若者を中心に米国民のアルコール離れが加速。長年の大麻株アナリストによれば、大麻合法州におけるアルコールの売上は過去5年間で100-150bpm悪化しています。

レポートでは、独自調査により「大麻消費者の3分の2以上がアルコールの摂取量を減らしている」ことが明らかとなっており、「過去1ヵ月間の大麻使用者で飲酒する人は、大麻を使用したことのない飲酒者よりも意図的な禁酒に参加する可能性が高いことが示されている」と述べられています。

特にこの打撃を受けているのがビール。過去1ヶ月間に大麻を消費した人のうち、ビールを好む人の割合は過去3年間で6ポイント減少。一方、「テキーラやバーボンのような蒸留酒は、この進化する市場で繁栄することが期待される」と書かれています。

TD Cowenのアナリストは「大麻合法州では、アルコールは引き続き業績不振に陥るだろう」と述べ、ある機会における平均飲酒回数は「大麻合法州では少なくなっており、これは大麻がアルコール消費に与えた影響に一部起因していると考えられる」と述べています。

2022年末から2023年にかけて、ニューヨーク州、コネチカット州、ミズーリ州、メリーランド州が嗜好用大麻の販売を開始。

今後、ミネソタ州（一部の先住民はすでに開始している）、デラウェア州、オハイオ州においても嗜好用大麻の販売が開始される予定であり、2027年には大麻の年間売上が370億ドルに達する見込みであるとレポートでは予測されています。