ミネソタ州の先住民が嗜好用大麻の販売を開始

ミネソタ州の先住民が嗜好用大麻の販売を開始

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8月1日より嗜好用大麻が合法となった米国ミネソタ州において、早くもある部族が嗜好用大麻の販売を開始しました。

今年5月、ミネソタ州議会は嗜好用大麻合法化法案を可決し、州知事がこれに署名。同法は8月1日より発効され、これにより21歳以上のミネソタ州民は2オンス(約56g)までの大麻の所持や、8株までの大麻の栽培が認められるようになりました

また、「大麻犯罪記録抹消委員会(Cannabis Expungement Board)」が低レベルの大麻犯罪記録の自動的抹消(封印)を開始。6月にミネソタ州犯罪捜査局(BCA)は、これにより州内で約6万6,000件の大麻犯罪記録が封印される見込みであると発表しています。

同法は州内における嗜好用大麻の販売についても規定しており、「大麻管理局(Office of Cannabis Management )」が市場の規制と大麻ビジネスライセンスの発行を担当。今後大麻管理局はライセンス制度を確立する必要があり、州内では2025年の第1四半期より嗜好用大麻の販売が開始される見込みです。

しかし、先住民に関しては例外となっており、独自に規則や規制を定めることが可能となっています。このため、ミネソタ州のレッドレイク・ネーションは、嗜好用大麻が合法になると同時に大麻の販売を開始することを決議。同部族はアルコールを禁止していることで知られ、2020年には州内の部族で初となる医療用大麻販売店もオープンしています。

レッドレイク・ネーションは予定通り8月1日より、既存の医療用大麻販売店「NativeCare」において嗜好用大麻の販売を開始。レッドレイク・ネーションはミネソタ州の主要エリアである「ツインシティーズ」から車で4時間かかるほどの辺境に位置するにも関わらず、オープン前には何百人もの人々による行列が作られ、歓声と花火と共に開店を迎えました。

昼過ぎにはパーティーのような雰囲気となり、店の外ではヒップホップが流され、近くの屋台では「マンチーフード」として、ホットドック、クッキー、水が無料で提供されました。

初日の売上は大盛況。午後3時以降に訪れた客には大麻の購入を断念してもらい、また同店舗で行われていたオンライン注文も一時停止せざるを得ないほどでした。

ミネソタ州のブレイナードから車で2時間以上かけてNativeCareに駆けつけたマイク・ハウランド(Mike Howland)氏は、検査済みの大麻を販売する合法市場を信頼していると語りました。

「長時間のドライブにはなりますが、ストリートなどから離れて、昔ながらの方法でマリファナを買うことができます。特に、(ストリートでは)フェンタニルが混ぜられたオピオイドが蔓延していますから。フェンタニルが欲しければ、フェンタニルを探しに行けばいいんです。マリファナが欲しければここに来ればいいし、製品の中にそのような物質(フェンタニル)を混入することは認められていません」

NativeCareの運営を監督するジェリー・ラウド(Jerry Loud)氏は、大麻の販売が単に経済効果を生むだけでなく、居留地に多くの人を呼び、訪れた人々との関係を育む上でも有益であるとしています。

「これは単なる大麻の販売ではありません。これは人種的な関係の一部であり、真実ではない神話を聞いてきたレッドレイクに人々を訪れさせることなのです」「私たちは他のコミュニティと何ら変わりません。ぜひ私たちに会いに来て、自分の目で確かめて下さい」。

レッドレイク・ネーションの部族長であるサムエル・ストロング(Samuel Strong)氏はNativeCareのオープンに先駆け、「私たちが最初であることを誇りに思います」「人々が居留地に入ってくるのを楽しみにしています」と発言。

また、ストロング氏は今後数ヶ月以内にさらに2つの嗜好用大麻販売店をオープンする予定であるとしています。

なお、ミネソタ州ではレッドレイク・ネーションだけでなく、ホワイトアース・ネーションも嗜好用大麻の販売を間もなく開始する予定です。

ミネソタ州では大麻以外においても、様々な動きがみられています。

今年5月には、医療従事者の監視下で安全に違法薬物を使用できる「過剰摂取防止センター」の設立を公式に支援する法律が成立。さらに同月にミネソタ州知事は、薬物関連の道具の所持、それらに残留した少量の薬物などを合法化するオムニバス法案にも署名しており、この法案も8月1日より発効されています。

また、ミネソタ州知事は同じく5月、サイケデリクス(幻覚剤)の合法化に備えるためのタスクフォースを設立する法案にも署名。このタスクフォースでは、シロシビン、MDMA、LSDの治療効果に関する既存の研究論文の調査や、サイケデリクス治療の合法化に必要な法改正や規制の策定などが行われる予定です。

都市レベルでは最近、ミネソタ州のミネアポリス市長がマジックマッシュルーム、アヤワスカ、イボガなどの自然由来のサイケデリクスを非犯罪化する行政命令を出しています

Minnesota Reformer「Minnesota tribe makes history with state’s first legal marijuana sale」https://minnesotareformer.com/2023/08/01/minnesota-tribe-makes-history-with-states-first-legal-marijuana-sale/

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廣橋 大

麻マガジンライター。看護師国家資格保有者。2021年より大麻の情報発信に携わる。

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