ミネソタ州、大麻犯罪記録6万件以上を抹消へ

米国ミネソタ州の犯罪捜査局（Bureau of Criminal Apprehension）は、早ければ2024年5月に大麻の軽犯罪記録約6万6,000件を抹消すると発表しました。

ミネソタ州は2023年8月1日より嗜好用大麻を合法化。同州の嗜好用大麻合法化法に基づき、犯罪捜査局は大麻関連の全ての軽犯罪記録の抹消に向け、作業に取り組んできました。

この作業は2024年8月までに完了する予定ですが、同局はより早いスピードで手続きを進めています。同局は最近、州の司法当局（Minnesota Judicial Branch）に抹消の対象となる犯罪記録のリストを送付。司法当局は5月13日までの間、リストに異議を申し立てることが可能となっています。

犯罪捜査局の広報担当者によれば、司法当局から異議が出なければ、5月中に大麻の軽犯罪記録約66,000件が抹消される見込みです。

また、ミネソタ州は、大麻の重犯罪記録についても状況に応じて抹消の対象となるかどうかを審査するために、「大麻抹消委員会（Cannabis Expungement Board）」を設立しています。

2024年2月に州知事によって大麻抹消委員会の委員長に任命されたジム・ロウェイダー（Jim Rowader）氏は、「全米の黒人や褐色人種のコミュニティでは、大麻関連の犯罪で逮捕される割合が3倍から4倍になる傾向がある。ここには、非常に大きく公平な影響がある」と述べています。

また、ロウェイダー氏は犯罪歴が住居、教育、雇用などにおいて障害となり得ることから、同委員会の取り組みが対象となる犯罪記録を持つ人々の生活に良い影響を与えるとも語っています。

ロウェイダー氏によれば、委員会が審査する大麻関連の重犯罪記録は少なくとも2万5,000件にのぼるとされています。なお、暴力、武器、脅迫に関わる大麻関連の重犯罪は、審査の対象外となっています。

大麻抹消委員会による審査は、今年後半には開始される予定です。

なお、ミネソタ州では2025年初頭より嗜好用大麻の販売が開始される見込みです。この市場には、ミネソタ州の元知事であるジェシー・ヴェンチュラ（Jesse Ventura）氏も参入する予定。ヴェンチュラ元知事は、すでに自身の大麻ブランド「Jesse Ventura Farms」を立ち上げています。

一方、州内の先住民はすでに嗜好用大麻の販売を開始しています。