米国史上初　バイデン大統領が一般教書演説で「誰もが大麻の所持や使用で投獄されるべきではない」と発言

バイデン大統領はかつて連邦上院議員だった時代、過激な麻薬戦争支持者であったことで知られています。

しかし、2020年の大統領選挙に参戦したバイデン大統領は「麻薬に関連する法律を成立させたのは間違いだった」と述べ、全米での医療用大麻合法化、大麻の非犯罪化、大麻犯罪の前科抹消、各州における大麻政策に対して支持を表明するようになりました。

大統領となったバイデン氏は2022年10月、保健福祉省（HHS）と司法省に対し大麻のスケジューリングの見直しを要請。その結果、保健福祉省は大麻の「医療価値」を認め、大麻のスケジューリングを緩和するよう麻薬取締局（DEA）に勧告しました。

大麻のスケジューリングに関する最終的な決定権は麻薬取締局にあり、同局は現在もこの作業に取り組んでいます。

さらに、バイデン大統領は2022年10月、大麻の単純所持により有罪判決を受けた人々に対する恩赦を発表。大麻犯罪に対する恩赦の範囲は、2023年12月にさらに拡大されました。

恩赦は法的に赦しを与えるものであり、犯罪記録を抹消するものではありません。また、大麻関連犯罪で連邦刑務所に投獄されている何千人もの人々は、恩赦が発表されて以降も誰一人として釈放されていません。

そのため、バイデン大統領は一般教書演説の中で「抹消」や「投獄されるべきではない」といった言葉を使用していますが、これは誇張した内容となっています。

とはいえ、一般教書演説で大麻政策について言及された前例はなく、この歴史的な演説に業界からは喜びの声が聞かれています。

米国大麻協議会（USCC）の広報担当上級副会長であるデビッド・カルバー（David Culver）氏は「米国大麻協議会は、バイデン大統領が一般教書演説の中で大麻改革を国家的関心事として強調したことに拍手を送る」

「大統領は非暴力的な大麻犯罪に対して歴史的な恩赦を与え、連邦法における大麻の地位の画期的な見直しを開始した。全米の聴衆を前にした今夜の発言は、大麻改革を推進するという大統領の継続的なコミットメントを示すものだ。私たちは今晩の話を聞いて勇気づけられ、バイデン政権が今年中に大麻をスケジュールIIIに移行させることを楽観視している」とコメント。

大麻の投資ファンド企業「Poseidon Investment Management」のマネージング・パートナーであるエミリー・パクシア（Emily Paxhia）氏は「一般教書演説で大統領が大麻改革の必要性を認めたのは、今夜が初めてだ」

「毎年、大統領は有名な演説台からわが国の最も重要な問題を取り上げている。一般教書演説で取り上げられるトピックは国民の意思を示すバロメーターであり、有権者は最新のギャラップ世論調査で70％という驚くべき割合で大麻改革を望んでいる。バイデン大統領の発言は、行政府が耳を傾けていることを物語っている。我々は政府各機関の行動を通して、この言葉が反映されるのを見届ける必要がある」と述べました。

著名な大麻企業「Curaleaf」のCEOであるマット・ダリン氏は「バイデン大統領が一般教書演説で大麻の再スケジューリングについて言及したことは、国にとって重要な瞬間だ。このように連邦レベルで大麻改革が支持されることは長い間待ち望まれていたことであり、大麻が政治的に強い影響力を持つことを示している」

「再スケジューリングは大麻への偏見のさらなる払拭に貢献し、280-E（大麻事業者の税金控除を禁止する法律）の負担をなくすことで、企業は成長と雇用創出にさらに注力できるようになる。Curaleafにとって、280-Eの撤廃は1億5,000万ドル以上の超過税負担の節約に相当する」と語りました。

なお、Marijuana Momentによれば、バイデン大統領のXのアカウントでは一般教書演説を振り返る投稿が立て続けに行われていますが、その中でも大麻に関する投稿には最も多い数の「いいね！」が集まっています。