米国では2018年以降大麻関連の前科を230万件以上抹消

米国では2018年以降大麻関連の前科を230万件以上抹消

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非営利団体「NORML」の報告によれば、2018年以降、米国の州裁判所は推定230万件の大麻関連の犯罪記録を抹消・封印しています。

現在、米国では24州とワシントンD.C.が大麻関連の有罪判決の抹消、封印、取り消しなどについて法制化しています

カリフォルニア州、コネチカット州、イリノイ州、ミズーリ州、ニュージャージー州などの州では、裁判所が自動的に過去の大麻犯罪記録を抹消。アリゾナ州やマサチューセッツ州などの州では、大麻関連の前科者は裁判所に犯罪記録の見直しや抹消を申請することが可能となっています。

この中でも、NORMLは大麻関連の前科抹消・封印に積極的に取り組んでいる州として、カリフォルニア州、イリノイ州、ミズーリ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、バージニア州を挙げました。

NORMLの推計によれば、1965年以降、米国の州や地域の警察による大麻関連犯罪の検挙数は2,900万件以上。このうちの約90%は、少量の大麻所持で起訴されています。

しかし、現在では38州とワシントンD.C.が医療用大麻24州とワシントンD.C.が嗜好用大麻を合法化。世論調査会社「Data for Progress」の2022年の調査によれば、米国有権者の74%が大麻の禁止を終わらせることに賛成し、74%が大麻関連の前科抹消を支持していたことが明らかにされています。

このような中、もはや多くの州で合法となっている過去の犯罪記録により、多くの人が雇用、住居、教育などの機会を奪われてきました。

NORMLのポール・アルメンターノ(Paul Armentano)副所長は「何十万人もの米国民が、ほとんどの米国民やますます多くの州がもはや犯罪とはみなしていない行為に対して、過去の有罪判決という重荷と汚名を不当に背負っている」「私たちの正義感と公平性の原則は、公務員と裁判所が大麻の禁止と犯罪化の過去の過ちを正すために迅速に動くことを要求している」と述べています。

NORMLの報告書では、近年各州で行われた大麻関連の前科者に対する救済について、具体的に記載されています。以下、一部を抜粋。

州・地方レベルでの恩赦

※恩赦は法的に赦しを与えるものだが、犯罪記録そのものが抹消されるわけではない。

  • 2018年、ネバダ州知事は、1オンス(約28g)までの大麻所持を含む犯罪で過去に有罪判決を受けた推定15,000人を対象に、恩赦を与える取り組みを開始。

  • 2019年、ワシントン州知事は、大麻関連の軽犯罪で過去に有罪判決を受けた推定3,500人を対象に、恩赦を与える取り組みを開始。

  • 2019年、イリノイ州知事は、大麻関連の軽犯罪で過去に有罪判決を受けた11,017人に恩赦を与えた。

  • 2020年、ミズーリ州カンザスシティ市長は、大麻関連の軽犯罪で過去に有罪判決を受けた8,000人に恩赦を与える意向を表明。

  • 2022年、コロラド州知事は、最大2オンス(約57g)の大麻所持に関わる行為で過去に有罪判決を受けた1,300人に恩赦を与えた。

  • 2022年4月、アラバマ州バーミンガム市長は、大麻関連の軽犯罪で過去に有罪判決を受けた15,000人に対する恩赦を発表。同年11月には、大麻所持で過去に有罪判決を受けた約23,000人に恩赦を与えたことを明らかにした。

  • 2022年、ペンシルベニア州知事は、大麻関連の前科を取り消すための申請を受け付けると発表し、このプログラムを通して200人以上を赦免。これとは別に、過去に大麻関連で有罪判決を受けた400人にも恩赦を与えた。

  • 2022年、オレゴン州知事は、大麻関連の軽犯罪で過去に有罪判決を受けた45,000人に恩赦を与える意向を表明。

  • 2023年11月、ウィスコンシン州知事は、大麻関連で過去に有罪判決を受けた人に恩赦を与えた。現任のトニー・エバース(Tony Evers)州知事は歴代で最も多くの恩赦を与えており、その数は大麻関連の前科を含み1,111件に達している。

州レベルでの前科抹消・封印

※封印は前科を抹消するものではないが、雇用主などを含む一般の人々が犯罪記録にアクセスすることを不可能にする。これにより、前科を持つ人は雇用、住宅、教育、社会サービスなどにおいて、差別や不利益を受けにくくなる。

  • カリフォルニア州:2023年4月の時点で大麻関連の前科を20万件以上抹消

  • イリノイ州:現在までに大麻関連の前科を推定80万件以上抹消。

  • ニュージャージー州:2021年に大麻関連の前科を推定36万2,000件取り消したことを発表。さらに、今後15万人が前科抹消による救済を受ける見込みである。

  • ニューヨーク州:2021年に大麻関連の前科20万件近くを封印し、さらに10万件以上の前科を抹消中であると発表。

  • バージニア州:2021年に大麻の少量所持による前科約33万件と、大麻の流通による軽犯罪記録6万4,000件を封印したことを発表。

  • アリゾナ州:最近、大麻関連の前科を数千件抹消。

  • コネチカット州:2023年1月、大麻関連の前科約43,000件を抹消したことを発表

  • アラスカ州:2023年1月、州最高裁判所は1オンス以下の大麻所持による前科を封印するよう命令。これにより、約800人のアラスカ州民が救済を受ける見込みである。

  • ロードアイランド州:2023年6月、大麻関連の前科23,000件以上を抹消したことを発表

  • ミズーリ州:2023年12月、重罪を含む大麻関連の前科10万件以上を抹消したことを発表

この他にも昨年、ワシントンD.C.は大麻関連の犯罪記録を抹消する法律を施行。ニューメキシコ州では、大麻関連の前科抹消を促進する法律が成立しました

2023年夏より嗜好用大麻が合法となったメリーランド州ミネソタ州においても、合法化された内容に一致する過去の犯罪記録が抹消される予定となっています。

連邦レベルでは、米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領が2022年、大麻の単純所持により有罪判決を受けた人々に対する恩赦を発表。2023年12月には、大麻の単純所持、単純所持未遂、使用により有罪判決を受けた人々に対しても恩赦を与えたことを明らかにしました

NORML「Updated NORML Report Highlights Over 2.3 Million Marijuana-Related Expungements」https://norml.org/blog/2024/01/09/updated-norml-report-highlights-over-2-3-million-marijuana-related-expungements/

NORML「Marijuana Pardons and Expungements: By the Numbers」https://norml.org/marijuana/fact-sheets/marijuana-pardons-and-expungements-by-the-numbers/

Marijuana Moment「States Have Expunged Over 2.3 Million Marijuana Records Since 2018, NORML Report Shows」https://www.marijuanamoment.net/states-have-expunged-over-2-3-million-marijuana-records-since-2018-norml-report-shows/

Data For Progress「A Majority of Voters Support the Provisions of the SAFE Banking Act」https://www.dataforprogress.org/blog/2022/11/28/a-majority-of-voters-support-the-provisions-of-the-safe-banking-act

廣橋 大

麻マガジンライター。看護師国家資格保有者。2021年より大麻の情報発信に携わる。

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