カナダ政府、2022年の国内大麻調査の結果を公開

カナダ政府、2022年の国内大麻調査の結果を公開

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2018年10月17日に嗜好用大麻が合法化されたカナダでは、大麻政策の影響を評価するために、国民の大麻の捉え方、使用状況などの調査(CCS:the Canadian Cannabis Survey)を2017年より毎年実施しています。

2022年におけるCCSの結果がカナダ政府から昨年12月16日に公開されました。

調査は2022年4月4日〜6月20日の間にオンラインで実施。回答者数は10,048名となりました。

過去5年間(2018〜2022年)の嗜好用大麻使用者のデータ比較と合わせ、調査結果のいくつかを抜粋し、ご紹介します。

抜粋項目

大麻への認識

・大麻の日常的喫煙に何らかのリスクがあると認識している人は78%で、前年(76%)と比べほとんど変化なし。2018年の70%からは上昇。

・10代の大麻使用が成人よりも有害となるリスクが高いと認識している人は83%で、昨年(82%)と比べ変化なし。

・大麻使用が習慣化する可能性があると認識している人は89%で、昨年(89%)と比べ変化なし。2018年(82%)から2019年(90%)にかけて増加し、それ以降この数値は安定して経過。

社会的受容性

※嗜好品の使用について、社会的に受け入れられるものかを尋ねた項目。

・嗜好品の”常用”ではアルコールが最も受けれられており(62%)、大麻は51%。電子タバコ(41%)、タバコ(38%)は下位となった。

・嗜好品の”時々の使用”でも順位は同様で、アルコール(89%)、大麻(69%)、電子タバコ(53%)、タバコ(49%)。

嗜好品に対するリスクの認識

・大麻とアルコールに関しては、大多数の人がたまに摂取するくらいであれば危険性がない、あるいはほとんど危険性がないと認識。たばこに関しては、大多数の人が時々の使用でも中程度から高いリスクがあるとした。

・常用により有害となるリスクがあると認識されていたのは、たばこが95%で最も高く、次いで電子タバコ(87%)、アルコール(77%)、大麻の喫煙(74%)、大麻の飲食(64%)。

大麻の使用率

・過去12ヶ月以内の大麻使用を報告したのは27%で、昨年(25%)、2018年(22%)よりも上昇。

・過去30日以内の大麻使用を報告したのは19%で、昨年(17%)、2018年(15%)よりも上昇。

大麻使用の年齢

・大麻使用開始年齢の平均は20.5歳で、昨年(20.4歳)と比べほとんど変化はないが、2018年(18.9歳)からは上昇傾向で経過。

・16〜19歳の未成年で大麻使用を報告した割合は37%で、昨年(37%)、2018年(36%)と比べ変化なし。2019年と2020年ではともに44%で増加していたが、2021年以降再び合法化前と同様の状況となり、安定したことになる。

大麻の摂取方法

・最も一般的な方法は喫煙(70%)だが、昨年(74%)、2018年(89%)と比べ減少。

・飲食による摂取は56%で、昨年と比べ変化はないが、2018年(43%)からは増加し経過。

・ベイピングは昨年(36%)と比べ変化なし。2018年は33%。

大麻の使用頻度・摂取量

・過去12ヶ月以内に大麻を使用した人の使用頻度は、52%が1ヶ月に3日以下、18%が毎日で、昨年、2018年と比べ変化なし。

・過去12ヶ月以内に大麻を使用した人の平均使用量は、乾燥大麻で1.3g、エディブルで1.2人前、オイルで0.9mlで、昨年と比べ変化なし。

大麻の購入場所

・合法な店舗で購入したのは61%で、昨年(53%)から増加。

・違法なオンラインストア(2%)や店舗(1%)から購入した割合は昨年と変化なし。

・それ以外は友達(10%)、自家栽培(8%)、合法なオンラインストア(8%)など。

大麻の費用

・月費用の平均は約65ドルで、2018年(73ドル)、昨年(69ドル)と比べ減少傾向。

大麻と他の物質の併用

・大麻との併用が最も多かった物質はアルコール(67%)で、次いでタバコ(30%)。

・過去12ヶ月以内に大麻を使用した人の大多数が違法なオピオイド(99%)、違法な覚醒剤(96%)、処方された覚醒剤(95%)、処方された鎮静剤(95%)、違法な幻覚剤や解離性麻酔薬(90%)の併用を報告しなかった。

大麻と車の運転

・12ヶ月以内に大麻を使用した人のうち、大麻使用後に車を運転したことがあると回答したのは18%で、昨年(16%)と比べほとんど変化なし。2018年(27%)から2021年までは減少し経過していた(※)。

※2018年と2019年以降で質問の仕方が異なっている。2018年は「(摂取方法を問わず)大麻使用後2時間以内に運転したことがあるか」となっていたが、2019年以降は「大麻の喫煙・吸入後2時間以内に車を運転したことがあるか」「(摂取方法を問わず)大麻摂取後4時間以内に車を運転したことがあるか」と質問を2つに分けている。

上記の数値は、2018年の質問に合わせ調節されたもの。

・12ヶ月以内に大麻を使用した人のうち、大麻の喫煙・吸入後2時間以内に車を運転したことがあると回答したのは23%で、昨年(21%)より微増。

・12ヶ月以内に大麻を使用した人のうち、大麻使用後4時間以内に車を運転したことがあるのは14%で、昨年(13%)と比べ変化なし。

・大麻使用が運転に悪影響を及ぼすと回答した人は82%で、2018年(81%)と比べ変化なし。

大麻の誤飲

※今回からの新項目。

・家庭内で誰か(ペットを含む)が大麻製品を誤って摂取してしまったことがあると報告したのは、1%。

・このうち、48%がペット、23%が大人、22%が自分、13%が10代の未成年において生じたと回答(13歳未満の子どものデータはなし)。

医療用大麻について

・医療目的で大麻を使用している人(671名)のうち、27%が医療従事者から受け取った文書により大麻を使用していると報告し、昨年(22%)より増加。2018年は34%。

・「大麻使用により他の処方薬の使用量が減った」と回答したのは53%で、昨年(52%)と比べ変化なし。

・摂取方法として最も多かったのは経口用オイル(51%)。次いで喫煙(39%)、エディブル(39%)、経皮(21%)、ベイピング(19%)。

廣橋 大

精神病院に勤める現役看護師。2021年初頭より大麻使用罪造設に向けた動きが出たことをきっかけに、麻に関する情報発信をするようになる。「Smoker’s Story Project」インタビュアー。

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