米コネチカット州、嗜好用大麻の販売を開始

米コネチカット州は、2021年6月に嗜好用大麻を合法化し、翌月より施行。これにより、21歳以上の成人が1.5オンス（約42グラム）またはそれに相当する濃縮大麻の所持が可能となりましたが、肝心の販売はなかなか行われず経過していました。

それからおよそ1年半が経ち、コネチカット州消費者保護省（DCP）は先月9日、既存の医療用大麻販売店に対し、翌月より嗜好用大麻の販売を開始できる旨を通達。1ヶ月間の準備期間を経て、ついに1月10日10時より、州内で初となる嗜好用大麻の販売が開始されました。

これらが販売されたのは、認可を受けた9店舗のうちの7店舗。残り2店舗は後日販売を開始する予定となっています。

入店には21歳以上であることを証明する身分証が必要で、一度に購入できるのは大麻の花4分の1オンス（7g）まで（またはそれに相当するベイプやエディブルなど）。支払いは連邦法の規定により、現金かデビットカードのみとなっています。

医療用大麻を求める人に配慮した州の規定に従い、並ぶ列やレジは「嗜好用」と「医療用」で別々となっています。

開店時よりおよそ90人もの行列ができていた店舗もありましたが、ほとんどが事前にオンライン受付をすることで指定の時間に来店してもらう形をとったり、並んでいる最中にQRコードで注文をしてもらうなどすることにより、店舗内外で目立った混雑はみられず、スムーズな対応で一日を終えました。

スタンフォード市のディスペンサリー「Fine Fettle」では、開店前の朝5時の時点で、事前予約だけで300〜500もの注文があったとのこと。DCPの報告では、州内の嗜好用大麻の売上は午後5時（開店から7時間）時点で25万ドルを超えたと言います。

DCP長官であるミッシェル・シーガル氏は「これまで販売店で問題は報告されておらず、適切に規制された中での嗜好用大麻市場の立ち上げに成功したことを誇りに思う」とコメント。

コネチカット州の嗜好用大麻購入時にかかる税率の合計はおよそ20％程度。州の財政分析局によれば、大麻の税収は2022年度で410万ドル、2026年度には7340万ドルにまで達すると推定されています。

この税収は、始めの2年間は業界の管理のために用いられる予定。その後に関しては、税収の60％が薬物関連犯罪により打撃を受けたコミュニティー、20％が薬物治療プログラムのために使用されることとなっています。

なお、7店舗のうちの1つであるブランフォード市のディスペンサリー「RIZE」は、これまで薬物で逮捕され害を被ってきた人々を想い、黒人やマイノリティの人々に対しビジネス支援を行う団体である「Black Buziness Alliance」に、初日の売上の全てを寄付しています。

州内では今年始めよりthe Clean Slate Lawの施行に伴い、大麻関連の有罪記録を抹消。1月9日には、電子システムで抹消できない古い記録を対象とし、大麻関連の前科抹消を申請できるポータルサイトを立ち上げています。

また、同州は大麻ビジネスにおいて、薬物関連で逮捕された人たちを優遇（ソーシャル・エクイティ）。例えば、嗜好用大麻の販売ライセンスの取得には100万ドルの手数料が必要ですが、これらの人々では半額とされています。

州副知事であるスーザン・バイサウィックス氏は、メリデン市のディスペンサリー「Zen Leaf」で嗜好用大麻の販売開始を祝い、「私たちは経済成長の新たな第一歩を踏み出している。この産業で1万人以上の雇用が生まれることを期待している」と述べました。

副知事によれば、今後1年ほどで40箇所のディスペンサリーを含め、100以上の大麻関連施設が州内でオープンされるとのこと。嗜好用大麻市場は1万人もの雇用を生み出すと推定され、例えば上記でも紹介した販売店「RIZE」は、販売開始までの1ヶ月間で従業員を100人雇ったと言います。

ネッド・ラモント州知事は声明にて「今日、麻薬戦争がもたらした不公平に転機が訪れた。危険で規制のない大麻のアンダーグラウンド市場に替わる合法的な手段ができたことは、特に大きい」「発展と共に、包括的で安全な業界を保証するための努力を続けることを楽しみにしている」と述べました。

25万ドルを超える売上から分かるように、販売開始当日、嗜好用大麻の販売店には大勢の人が来訪。訪れた多くの人々は、FOX61の取材に対し「ストレスのために大麻を使用する」と語りました。

最後に、この日聞かれた購入客からの声をいくつかご紹介します。