コロラド州、嗜好用大麻の販売開始から合計25億ドル以上の大麻税を徴収

コロラド州、嗜好用大麻の販売開始から合計25億ドル以上の大麻税を徴収

/

米国コロラド州では2014年に嗜好用大麻の販売が開始されて以降、合計で150億ドル以上の大麻製品が販売され、25億ドル以上の税収が集められています。

コロラド州は2000年に医療用大麻を合法化し、2012年に嗜好用大麻を合法化。同州の嗜好用大麻の税率は卸売で15%、一般販売で15%であり、医療用大麻では州の消費税として2.9%のみ課税されます。

コロラド州歳入局が10月11日に発表したプレスリリースによれば、同州の医療及び嗜好用大麻製品の売上は今年8月だけで約1億3,245万ドル(約198億円)、2023年(1月〜8月)で合計10億5,252万ドル(約1,577億円)。

嗜好用大麻の販売が開始された2014年1月以降、大麻製品の総売上は約150億2,900万ドル(約2兆2,522億円)に達しています。

これにより、コロラド州は大麻税から今年9月に約2,261万ドル(約34億円)、2023年(1月〜9月)で2億1,012万ドル(約315億円)を徴収。2014年1月以降、合計で25億5,416万ドル(約3,828億円)の税収を集めています。

ジャレッド・ポリス(Jared Polis)州知事の広報担当者はMarijuana Momentに対し、「コロラド州の大麻産業はより強く成長し、より多くの雇用を生み出し、州全体で繁栄する経済を支えています」

「ポリス知事はコロラド州の大麻産業が繁栄し、地方自治体や学校建設のために税収をもたらしていることに喜んでいます。州知事はこれらの売上が責任を持ってますます増加し、150億ドルを超えることに期待しています」と述べました。

コロラド州議会の立法評議会スタッフが8月に公開したレポートによれば、大麻の税収は過去2年間で大幅に減少しています。

それにも関わらず、2023年会計年度の大麻の税収は2億8,200万ドル(約423億円)であり、アルコール(5,600万ドル)とたばこ(2億3,400万ドル)の税収を上回っていました。

レポートによれば、コロラド州は大麻の税収を物質使用障害に対する治療、幼児期の識字能力、青少年の指導といじめ防止、法執行機関の訓練、住宅政策(アフォーダブル・ハウジング)、研究、農業規制、違法市場の取締りなどに活用。

全体として、大麻の税収の約37%がK-12教育(幼稚園から高校卒業までの義務教育期間)の学校運営資金と建設費用、約20%が福祉省の行動的健康と依存症に焦点を当てたプログラムに分配されています。

州レベルで大麻の合法化が進む中で、アメリカの各州は大麻から多額の税収を集めています。

米国国勢調査局は9月末、2021年第3四半期(7月1日)から2023年第2四半期(6月30日)にかけ、米国の大麻合法州が大麻の物品税から合計57億ドル(約8,542億円)以上を徴収していたことを報告

最も税収が多かったのはカリフォルニア州で、2年間で約14億679万ドル(約2,108億円)を徴収。ワシントン州(約8億1,851万ドル)、コロラド州(約6億4,810万ドル)がこれに続きました。

また、同局は最近、大麻の税収が各州の歳入において占める割合を詳細に示したデータを公開

これによれば、2021年第3四半期から2023年第2四半期にかけ、コロラド州の大麻の税収は州の歳入の1.16〜2.33%を占めています。

2023年第1四半期(1月〜3月)において大麻の税収が州の歳入の1%以上を占めた州はアラスカ州(1.27%)、イリノイ州(2.19%)、オレゴン州(4.67%)、コロラド州(1.63%)、ミシガン州(2.46%)。

嗜好用大麻市場を最初に開放した州の1つであるワシントン州では0.73%、全米一巨大な大麻市場を誇るカリフォルニア州では0.16%となっていました(最新データは2023年第2四半期であったが、データの欠落がいくつかみられていたため、ここでは2023年第1四半期を取り上げた)。

大麻から得られた税収は州ごとに様々な形で有効活用されています。

例えば、カリフォルニア州は今年5月、麻薬戦争で被害を受けた地域の保健所や非営利団体の活動のために、大麻の税収から5,000万ドル(約75億円)の資金を提供

ニュージャージー州は8月、地域密着型の暴力防止プログラムを支援するために1,500万ドル(約22億円)の資金提供を行うことを発表しましたが、この中には大麻の税収から得られた500万ドル(約7億円)が含まれています

※為替は記事公開時点のレートで計算しており、リンク先の記事と日本円の数字が異なることがあります。最新の米ドル・円の相場はこちら

Marijuana Moment「Colorado Dispensaries Have Sold More Than $15 Billion Worth Of Marijuana Since Legalization, Generating $2.5 Billion In Tax Revenue, State Reports」https://www.marijuanamoment.net/colorado-dispensaries-have-sold-more-than-15-billion-worth-of-marijuana-since-legalization-generating-2-5-billion-in-tax-revenue-state-reports/

Colorado Department of Revenue「Colorado reached $15 billion in marijuana sales since legalization」https://sbg.colorado.gov/sites/sbg/files/documents/231011_September_2023_and_August_2023_Marijuana_Tax_Revenue_and_Sales_Press_Release.pdf

Marijuana Moment「New Interactive Federal Map Shows How States Rely On Marijuana Tax Revenue To Fund Public Services」https://www.marijuanamoment.net/new-interactive-federal-map-shows-how-states-rely-on-marijuana-tax-revenue-to-fund-public-services/

U.S. Census Bureau「Cannabis Excise Sales Tax」https://www.census.gov/library/visualizations/interactive/cannabis-excise-sales-tax.html

廣橋 大

麻マガジンライター。看護師国家資格保有者。2021年より大麻の情報発信に携わる。

Recent Articles

大麻成分CBDが月経関連症状を緩和

大麻成分CBDの摂取により、月経関連症状に悩む女性の諸症状が緩和されたことが報告されました。論文は「Experimental and Clinical Psychopharmacology」に掲載されています。月経(生...

米国が連邦法で大麻規制を緩和へ 歴史的転換

現地時間4月30日、DEA(米国麻薬取締局)が連邦法における大麻規制を緩和する方針であることが報じられました。この規制緩和は大麻について乱用の可能性が低く、医療的価値があることを認め...

CBDゲルが顎関節症の痛みや歯ぎしりを改善

大麻成分CBDを含んだゲルを口腔内に塗布することで、顎関節症患者の痛みや歯ぎしりなどが緩和されたことが報告されました。論文は「Journal of Clinical Medicine」に掲載されています。顎関節...