アルバータ州が大麻規制を大幅に緩和　フェスでの販売を可能に

2024年1月31日以降、カナダのアルバータ州では大麻の規制が大幅に緩和され、成人限定のフェスや見本市において大麻の販売が可能になります。

カナダは2018年に嗜好用大麻を合法化しましたが、州によって大麻の規制やアクセス状況は異なっています。

アルバータ州では現在、30gまでの乾燥大麻の購入・所持が可能。アルバータ州は人口10万人当たりの合法の大麻小売店数が最も多い州であり、10月の大麻の売上はオンタリオ州（1億7,770万カナダドル）に次いで二番目に多くなっています（7,640万カナダドル）。

嗜好用大麻が合法化されてから5年が経ち、大麻市場が飛躍的に成長する中で、アルバータ州政府は大麻産業への支援と州民の保護のために大麻規制の見直しを行い、改善点を見極めてきました。

これに伴い、アルバータ州賭博・酒類・大麻管理局（AGLC）は、2024年1月31日から施行される大麻規制の”改善”を発表。

これによれば、認可を受けた大麻小売業者は、成人限定の見本市やフェスなどのイベントにおいて、臨時で販売場所を設けることができるようになります。

また、これまで大麻小売業者は営業終了後に全ての商品を倉庫に移動させなければなりませんでしたが、今後は鍵付きの陳列ケースに保管していれば、わざわざ商品を移動させる必要がなくなります。

大麻小売業者間における商品の販売や譲渡に関する制限も撤廃されます。これに伴い、アルバータ州賭博・酒類・大麻管理局は転売の値上げ制限を設ける権限が与えられます。

これらの規制緩和は合法的な大麻小売業者の障壁・時間・コストを削減するだけでなく、違法市場に対抗することを目的としています。

今回の変更について、アルバータ州サービス・役所仕事削減省（Ministry of Service Alberta and Red Tape Reduction）のデール・ナリー（Dale Nally）大臣は「我々は公衆衛生と安全を守りつつ、何がうまくいっているのか、何を改善する必要があるのか、何が冗長で不必要なのかを判断するために大麻市場を調査してきました。今回の変更は違法な大麻産業を抑制し、アルバータ州民が信頼できる選択肢を提供し続けるための最新の取り組みの結果です」と説明しました。

州内の大麻事業者からは歓迎の声が聞かれています。

High Tide社の創設者兼CEOのラージ・グローバー（Raj Grover）氏は「大麻小売業者がフェスや見本市で成人向けの臨時販売場所を運営することを認めるなど、これらの常識的な変更に感激しています。大麻産業にとって不必要な役所仕事がなくなることで、合法化以降に生まれた何万もの雇用を守ることができるでしょう」とコメント。

SNDL社の大麻小売部門長であるマーシー・キジアック（Marcie Kiziak）氏は「規制の更新は、公共の安全に対するコミットメントを維持しながら大麻小売業者の安定性を強化し、役所仕事を減らすための重要な前進です。この改善により、より効果な在庫管理、販促機会の増加、非合法市場からの継続的な移行が可能になり、小売ネットワーク全体をより良くサポートすることができます」と述べました。

アルバータ州はこれまでにも、大麻小売店の看板に関する制限の撤廃、店舗名の自由度拡大、オンラインショッピング時の年齢確認プロセスの簡略化（他州とより緊密に一致させた）、大麻小売店の窓カバー要件撤廃（当初は外から店内が見えないように窓を覆う必要があった）、小売業者による大麻サンプル提供の許可、大麻事業者の手数料削減など、様々な変更を行っています。