米ニューメキシコ州知事、大麻関連の前科抹消を促進する法案に署名

2021年6月に嗜好用大麻を合法化したアメリカのニューメキシコ州。

この合法化法案には、嗜好用大麻の具体的な規制に加え、大麻関連犯罪の再判決や前科の自動的抹消についても定められています。

しかし、州内の裁判所は大麻関連の犯罪以外にも別の犯罪歴がある場合など、特定のケースに対する処理で技術的な問題に直面しています。

これを解決すべく、下院の民主党議員らは大麻の前科を抹消することを容易にするための法案「House Bill 314（HB314）」を提出。3月30日に州知事がその法案に署名したことが明らかとなりました。

この法案は、自身の免責状況を確認して対象となる大麻関連の前科が処理されていない場合、裁判所が作成する行政手続きによって、迅速に処理を求めることを可能にするものです。

大麻で不当に投獄された人々を解放することを使命とした非営利団体ラスト・プリズナー・プロジェクト（Last Prisoner Project）の政策責任者であるグレイシー・ジョンソン（Gracie Johnson）氏はMarijuana Momentに対し、「HB314の可決は、ニューメキシコ州の合法化後の優先事項が税金の徴収だけではなく、大麻の禁止による害を改善するという州の約束を果たすことを反映しています」とコメント。

さらに、同団体は「（大麻の）禁止による過ちを正し、合法化を全ての住民に行き届かせるために、ニューメキシコ州政府はこれら（大麻関連犯罪）の記録を削除する責任を担い、対象となる住民が生活の再建を始められるようにしなければなりません」と述べています。

ニューメキシコ州は2022年4月から嗜好用大麻の販売を開始し、翌年4月3日には、初年度の総売上が3億ドル（約395億3600万円）を超えたことを報告しています。

米国連邦レベルでは、2022年10月6日、バイデン大統領は大麻の単純所持で有罪となった人々に対し恩赦を与えることを発表。2023年3月より米司法省は恩赦証明書の申請受付を開始しています。

バイデン大統領の恩赦に呼応し、コネチカット州、ミズーリ州、ペンシルベニア州、アラスカ州など、アメリカの多くの州において大麻関連の前科抹消が進められています。3月10日には、連邦政府直轄の独立行政区であるワシントンD.C.（コロンビア特別区）において、大麻関連の犯罪記録を抹消する法案が発効されています。

バイデン大統領は今年に入り、キング牧師記念日や黒人歴史月間を記念するイベントにおいて、「マリファナを所持しているだけで、誰も刑務所に入るべきではありません」と公言しています。