シアトル、サイケデリックス(幻覚剤)を非犯罪化する米国最大の都市に 

シアトル、サイケデリックス(幻覚剤)を非犯罪化する米国最大の都市に 

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MLBシーズン最多安打記録保持者イチロー選手が長年シアトル・マリナーズに在籍するなど、日本人にも馴染みのある米国ワシントン州シアトル。

シアトルの市議会は現地時間10月4日、マジックマッシュルーム、アヤワスカ、イボガイン、ペヨーテ以外のメスカリンを含む広範囲のサイケデリックス(幻覚剤)植物や菌類の営利目的でない栽培と使用を非犯罪化する決議を行い、反対者を一人も出さず全会一致で可決したことをMarijuana Momentが報じています。

 

決議案を提出したアンドリュー・ルイス(Andrew Lewis)議員は、投票の前に「これらの非中毒性の天然物質は、臨床や治療の場において人々の生活に大きな変化をもたらす可能性を秘めています」と述べました。

「一般的にサイケデリックス(幻覚剤)は、うつ病、重度の不安、問題のある薬物使用、心的外傷後ストレス、終末期の不安、悲嘆、世代間トラウマなどに苦しむ人々の幸福に役立つことが示されています。これらの症状やその他の身体的・精神的症状は、多くの地域社会で悩まされておりCOVID-19の影響でさらに悪化していることが明らかになっています。」とシアトル市議会のプレスリリースで述べられています。

 

この決議は、宗教的、精神的、治癒的、個人的な成長のためのサイケデリックな植物や菌類の栽培、使用する人々を保護することを目的としています。

「幻覚剤に関わる人々の調査、逮捕、起訴は、シアトル市の最も低い執行優先順位の一つであるべきである」とシアトル市議会は述べており、シアトル市の警察がこの指示に従い必要な措置を取ることを要請しています。シアトル市議会は、幻覚剤を栽培する個人を逮捕や起訴から守るためにどのような変更が必要かを判断し、今後条例を制定する意向を示しています。

 

市議会で可決された今回の決議案は、先月末に市議会の公安・福祉委員会で審議された草案に若干の変更を加えたものとなりました。

変更点は、市が州レベルの非犯罪化法案の草案を作成するよう要請する条項の削除と、”Native Americans(ネイティブアメリカン)”という表現を “Indigenous people of the American Southwest(アメリカ南西部の先住民)”に変更しています。

先住民に関する変更は、メキシコとアメリカ南西部の一部に存在するサボテン「ペヨーテ」が歴史的に伝統的な宗教儀式として使用されてきたことに言及したものです。

今回の決議では、ペヨーテを非犯罪化を行う幻覚剤から明確に除外しています。ペヨーテは成長がとても遅い植物ですが、昨今不正な乱獲が激しく、野生のペヨーテは絶滅が危惧されています。メキシコでは先住民のみが合法的にサボテンを採取できるよう保護していますが、米国では連邦政府の保護を受けていません。

ペヨーテを伝統的な宗教儀式として長年に渡り使用してきた先住民を守るため、非犯罪化する物質からペヨーテは除外されました。

 

今回の決議案には、「サイケデリックス(幻覚剤)は、何世紀にもわたって世界中の人間の文化にとって神聖なものとして認識されてきました。そして今日に至るまで、世界中の文化的・精神的指導者やコミュニティによって崇拝され、利用され続けています」と記されています。

 

一方で、シアトルのあるワシントン州では、嗜好用大麻の自家栽培は依然として違法とされています。

石井 竜馬

麻マガジン創設者兼編集長。標高1,000mの山の中で井戸を掘り、湧き水と共に家族で農的暮らし。珈琲焙煎士でもある。ヨガ歴20年。ワクワクするスタートアップにシードからレイターまで投資ラウンド問わず投資したいため、起業家との出会い募集中。

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