ワシントンD.C.、大麻関連犯罪の前科を自動的に抹消する法案を発効

ワシントンD.C.、大麻関連犯罪の前科を自動的に抹消する法案を発効

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2015年より、21歳以上の成人における2オンス(約56g)までの乾燥大麻の所持、最大6株までの栽培を認めているワシントンD.C.(コロンビア特別区)。

2022年12月、ワシントンD.C.の議員らは2015年以前の大麻関連の犯罪記録を抹消する法案を全会一致で可決。この法案は、ワシントンD.C.市長ミュリエル・バウザー(Muriel Bowser)氏から署名されず許可される形となり、2023年3月10日より発効となりました。

これにより、現在合法となっている内容の犯罪記録が抹消されることになります。しかし、大麻所持の犯罪記録には必ずしも所持量が記載されているわけではないため、2オンス以下であるかを判断できないものも。そのため、この法案では「あらゆる量」の大麻所持の犯罪記録を抹消することが明記されています。

犯罪記録の抹消は、2025年1月1日、もしくは検察による事件の終結や最終処分後から90日以内の、いずれか遅い方の日付までに処理される必要があります。

NORMLの副所長であるポール・アルメンターノ(Paul Armentano)氏は「同区の議員やほとんどのアメリカ人、そして、ますます多くの州がもはや犯罪とは考えていない行為に対して、何千人ものDC住民が過去の有罪判決の重荷と汚名を不当に背負っています」「私たちの正義感と公平性の原則は、裁判所が大麻の禁止と犯罪化という過去の過ちを正すために迅速に動くことを要求しています」と述べ、新法の成立を称賛。

ワシントンD.C.では、2015年に嗜好用大麻が合法化されて以降、大麻に関連する逮捕件数が約99%減少。それ以前の逮捕件数は全米で最も多く、平均して2時間に1人の割合で逮捕者が出ていました。そのため、今回の法案の施行により、多くの人がポジティブな影響を受けると考えられます。

一方、米国連邦政府直轄の独立行政区であるワシントンD.C.では、未だ大麻の販売が禁止されています。これに対し、議員らは大麻販売に関する法案を数多く提出していますが、バイデン大統領は今年もそれを認めない方針であることを予算案とともに示しています。

バイデン大統領は昨年10月に大麻の単純所持に対する恩赦を発表。今年に入ってからも、キング牧師記念日黒人歴史月間を記念するイベントにおいて、「マリファナを所持しているだけで、誰も刑務所に入るべきではありません」と再三にわたって公言しています。このような大麻改革を推し進めるバイデン大統領ですが、ワシントンD.C.で販売を認めないという現状に大麻支持者は落胆しています。

また、ワシントンD.C.市長は今年1月30日、自己申告のみで医療用大麻の登録カードを取得できることを成文化するなど、医療用大麻へのアクセスを大幅に増大させる法案に署名。連邦議会に動きがみられなければ、この法案は3月28日に成立となる見込みです。

Marijuana Moment「D.C. Marijuana Expungements Bill Becomes Law Following Congressional Review」https://www.marijuanamoment.net/d-c-marijuana-expungements-bill-becomes-law-following-congressional-review/

NORML「District of Columbia: Marijuana Expungement Bill Enacted Into Law」https://norml.org/blog/2023/03/15/district-of-columbia-marijuana-expungement-bill-enacted-into-law/

Marijuana Moment「D.C. Lawmakers Approve Bill To Automatically Expunge Marijuana Records, Sending It To Mayor」https://www.marijuanamoment.net/d-c-lawmakers-approve-bill-to-automatically-expunge-marijuana-records-sending-it-to-mayor/

廣橋 大

麻マガジンライター。看護師国家資格保有者。2021年より大麻の情報発信に携わる。

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