イタリアが年内に医療用大麻700kgを国内生産、自給自足目指す

イタリアが年内に医療用大麻700kgを国内生産、自給自足目指す

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イタリアでは、2013年に医療用大麻を合法化。医療用大麻の生産は2014年からイタリアの軍主導のもと、フィレンツェの軍事施設内で行われており、2020年には50kg、2022年には300kgの医療用大麻が生産されました。

昨年12月30日、施設を統括する国防省内の管轄である国防産業庁を率いるニコラ・ラトーレ氏が「Defense News」の取材に応じ、2023年に医療用大麻を700kg生産する予定であることを明かしました。

イタリアでは、がんやパーキンソン病による痛みの緩和などのために、年間でおよそ1,500kgの大麻が必要とされています。そのため、自国の生産だけでは大幅に不足しており、大部分をオランダ、デンマーク、ドイツ、カナダからの輸入に頼っている状況となっています。

ニコラ・ラトーレ氏は「次のステップは自給自足。これが私たちの野望だ」と医療用大麻に対する熱意を表明。もし年間700kgの生産が叶えば、国内必要量の半分を自国で賄うことができるようになります。

また、医療用大麻を生産している施設責任者であるガブリエレ・ピッキオーニ氏は「フィレンツェでできることは、現在輸入に支払ってる金額と同じ価格で、投与量にばらつきが生じない高度に標準化された製品を作ることだ」と述べています。

同施設では700kgもの高品質の大麻を生産するために、技術者が照明、水、温度、換気を完璧なものにし、自ら開発した秘密の栄養素を使用した水耕栽培を行っているとのこと。

上記のように、イタリアでは軍により医療用大麻の生産が行われてます。この理由には、安全な施設での生産が可能なことに加え、何十年も医薬品ビジネスに携わり、化学兵器に対する解毒剤やマラリアの治療薬を生産してきたことなどが背景にあります。

Defense News「A high ambition: Italian Army aims for self-sufficient cannabis market」https://www.defensenews.com/global/europe/2022/12/30/a-high-ambition-italian-army-aims-for-self-sufficient-cannabis-market/

Cannabis Wealth「Italy aiming for self-sufficient cannabis production」https://cannabiswealth.co.uk/2023/01/03/italy-self-sufficient-cannabis-production/

Newsweed「L’armée italienne veut produire 700 kilos de cannabis en 2023」https://www.newsweed.fr/armee-italienne-produire-700-kilos-cannabis-2023/

廣橋 大

麻マガジンライター。看護師国家資格保有者。2021年より大麻の情報発信に携わる。

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