タイのがん患者、回答者の半数以上が医療用大麻の使用に肯定的

タイのがん患者、回答者の半数以上が医療用大麻の使用に肯定的

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2022年4月、タイ北部におけるがん患者の医療用大麻に対する意識を調査した論文が、電子ジャーナルAsian Pacific Journal of Cancer Prevention(APJCP)に掲載されました。

タイ北部の6つの公立がん治療センターに通院するがん患者565名に対しアンケートを行うことで、がん患者の医療用大麻に対する意識が調査されました。

参加者が罹患していたがんの種類として多かったのは、乳がん(27.8%)・大腸がん(21.4%)・肺がん(10.6%)で、参加者の51.2%が早期がんであり、46.5%が化学療法を受けていました。

がん治療のために医療用大麻を使用してみたいと回答したのは53.3%(301名)で、半数以上が医療用大麻の使用を肯定的に捉えていることが明らかになりました。どちらでもないと回答したのは32.9%(186名)、使用したくないと回答したのは13.8%(78名)でした。

タイ北部のがん患者の医療用大麻に対する意識

医療用大麻に求めることとして多かったのは、現行治療による副作用の緩和55.4%(313名)、抗がん作用38.8%(219名)、がんによる症状の緩和30.6%(173名)、長生き・健康増進のため16.3%(92名)でした。

医療用大麻の使用を決めるタイミングとしては、「現行治療を受けてから」と回答した人が45.3%(256名)で最も多く、「がんと診断されてから」と回答した人は23.5%(133名)でした。

回答者が医療用大麻を処方される場所として望んでいたのは、公立の病院65.3%(369名)、タイ伝統医療・代替医療クリニック31.7%(179名)でした。

なお、ほとんどの人(95.6%・540名)が、医療用大麻を使用するのであれば、現行治療と併用したいと回答しました。

大麻は数々の研究により抗がん作用があることが示されています。さらには痛みや食欲低下などのがんの症状や、悪心・嘔吐、末梢神経障害といった化学療法の副作用を軽減するという報告もあります。他にも、オピオイドや抗がん剤の作用を高める可能性も指摘されています。

現行治療と大麻の併用。
がんにおいて、今後新しい治療の形となっていくかもしれません。

廣橋 大

精神病院に勤める現役看護師。2021年初頭より大麻使用罪造設に向けた動きが出たことをきっかけに、麻に関する情報発信をするようになる。「Smoker’s Story Project」インタビュアー。

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