米コロラド州では、事業者を対象とし、大麻栽培におけるエネルギーの効率化を支援するプログラム「CROP(Cannabis Resource Optimization Program)」が2月15日より開始されます。
コロラド州の事業者は、室内の管理された環境で大麻の栽培を行っています。そのため、大麻の栽培にはライト、温度管理、品質管理など、様々な面で多くの電力を必要とします。
2018年のコロラド州エネルギー局(CEO:Colorado Energy Office)の報告によれば、州のエネルギーのうち2%が大麻産業によって利用されています。また、大麻栽培業者の運営予算のうち、3分の1が電気代であったことも明らかとなっています。
このように、栽培業者にとってエネルギーコストはネックであり、特に近年多くの国で起こっているエネルギーコストの高騰により、より顕著なものとなっています。
何よりもエネルギーの効率化は、環境への影響を最小限にし、サステナブルな運営をしていくために重要となります。
このような状況に対し、コロラド州は2020年、ビールの醸造過程で排出される二酸化炭素を大麻の栽培に利用するプログラムを開始しています。これに続いて今回、150万ドルの予算を計上し、CROPの開始に至っています。
CROPは大麻栽培業者に対し、エネルギーを効率化するための技術支援や融資へのアクセスを無料で提供するものです。
技術支援のため、コロラド州エネルギー局はエネルギーソリューション企業であるResource Innovationsと提携。この企業の介入により、過去の電気、ガス、水、その他の資源の使用状況の分析や施設の監査が行われ、その上でLED器具の設置や空調システムのアップグレードなど、エネルギー効率化に向けた改善が行われます。
その後、栽培業者は改善に必要な費用を、州のグリーンバンク(クリーンエネルギーに投資を行う金融機関)であるColorado Clean Energy Fundから低金利で借り入れることができます。
このプログラムは、まず「技術支援を求め、電力会社から支援を受けていない事業者」を対象に行われますが、年内には全ての事業者が利用できるようになる予定です。
コロラド州知事であるジャレッド・ポリス氏は、声明で「コロラド州は(嗜好用)大麻を合法化した最初の州であり、認可された栽培業者のエネルギー効率化を支援する最初の州にもなる」「エネルギー効率を改善するための革新的な方法を栽培業者に提供することにより、事業主は産業におけるコストを節約し、エネルギーの使用量を削減できるだろう」と述べています。
州の歳入局によると、コロラド州における大麻の売上高は2021年に約22億ドルであったのに対し、2022年は約18億ドルと20.7%減少していたことが明らかとなっています。
このような状況もあるため、今回開始されるプログラムは、栽培業者にとって大きな助けとなるかもしれません。
Marijuana Moment「Colorado Officials Launch New Program To Fund Marijuana Industry Energy Efficiency」https://www.marijuanamoment.net/colorado-officials-launch-new-program-to-fund-marijuana-industry-energy-efficiency/
MJBizDaily「Colorado launches energy-efficiency program for cannabis cultivators」https://mjbizdaily.com/colorado-launches-energy-efficiency-program-for-cannabis-cultivators/
MJBizDaily「Colorado reports 2022 marijuana sales down more than 20% from 2021」https://mjbizdaily.com/colorado-2022-marijuana-sales-down-more-than-20-from-2021/