フランス、花と葉のCBDを禁止する法改正を撤廃

フランス、花と葉のCBDを禁止する法改正を撤廃

/

2021年12月31日、フランス政府はTHC0.3%未満の大麻(ヘンプ)の花と葉の販売・所持・使用を禁止する法改正を発表。しかし、「ヘンプの主成分CBDには向精神作用がなく、安全性から考えて妥当ではない」という声があったことから、この法改正の実施は暫定的に中止となり、これまで審議が行われてきました。

この法改正発表からおよそ1年が経過した2022年12月29日、政府の諮問機関である国務院は、ヘンプの花・葉を禁止する法改正の取り消しを発表。

国務院は「調査の結果、CBDにはリラックス効果、鎮静作用、抗てんかん作用はあるが、THCにみられるような向精神作用や依存性はない」「ヘンプの花や葉に含まれる成分(特にCBD)に有害性があるとは言えず、公衆衛生上のリスクがない」などと述べ、ヘンプの花と葉を禁止する合理的な理由はないとしています。

連帯・保健省の「ヘンプはTHC0.3%以上を含む向精神作用のある大麻と見分けがつきにくく、取締りが難しい」という主張に対しては、「ヘンプの花や葉のTHCの含有量は、迅速かつ安価な検査によって確認できる。そのため、これを理由としてヘンプの花と葉を禁止することは妥当ではない」と指摘しました。

フランスではすでに約2,000のCBD専門店が存在しており、売上の多くがヘンプの花によるものであったことから、この法改正の撤廃はCBD事業者やユーザーにとって、大きな朗報となりそうです。

Conseil d’État「CBD : Annulation de l’arrêté interdisant la vente des fleurs et feuilles de cannabis sans propriétés stupéfiantes」https://www.conseil-etat.fr/actualites/cbd-annulation-de-l-arrete-interdisant-la-vente-des-fleurs-et-feuilles-de-cannabis-sans-proprietes-stupefiantes

The International Cannabis Business Conference「France Lifts Ban On CBD Product Sales」https://internationalcbc.com/france-lifts-ban-on-cbd-product-sales/

RFI「Court reverses French ban on sale of cannabis-derived CBD flowers and leaves」https://www.rfi.fr/en/france/20220126-court-reverses-french-ban-on-sale-of-cannabis-derived-cbd-flowers-leaves

RFI「French court overturns government ban on sale of CBD flowers」https://www.rfi.fr/en/france/20221230-french-court-overturns-government-ban-on-sale-of-cbd-flowers

廣橋 大

麻マガジンライター。看護師国家資格保有者。2021年より大麻の情報発信に携わる。

Recent Articles

大麻成分CBDが月経関連症状を緩和

大麻成分CBDの摂取により、月経関連症状に悩む女性の諸症状が緩和されたことが報告されました。論文は「Experimental and Clinical Psychopharmacology」に掲載されています。月経(生...

米国が連邦法で大麻規制を緩和へ 歴史的転換

現地時間4月30日、DEA(米国麻薬取締局)が連邦法における大麻規制を緩和する方針であることが報じられました。この規制緩和は大麻について乱用の可能性が低く、医療的価値があることを認め...

CBDゲルが顎関節症の痛みや歯ぎしりを改善

大麻成分CBDを含んだゲルを口腔内に塗布することで、顎関節症患者の痛みや歯ぎしりなどが緩和されたことが報告されました。論文は「Journal of Clinical Medicine」に掲載されています。顎関節...