ペンシルベニア州知事、州議会に嗜好用大麻の合法化求める

by 廣橋大

2024年2月19日

News/Pennsylvania

米国ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ（Josh Shapiro）知事は2月6日の予算演説の中で、嗜好用大麻合法化の提案を含む483億ドルの予算案を発表し、州議会にその実現を求めました。

ペンシルベニア州では2016年より医療用大麻が合法となっていますが、嗜好用大麻に関しては依然として違法となっています。

シャピロ知事は1時間以上に渡る予算演説の中で、2023年11月にオハイオ州の有権者が嗜好用大麻の合法化を承認したことを取り上げ、ペンシルベニア州もオハイオ州を含む近隣の州に追いつくべきだと主張しました。

以下、演説の一部を抜粋。

昨年、オハイオ州では57％の有権者が娯楽用大麻を合法化するイニシアチブを支持した。そして現在、オハイオ州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、デラウェア州、メリーランド州など、実質的に近隣の州全てが大麻を合法化している。

私たちは、それが実現すれば年間2億5,000万ドル（約375億円）以上の収入をもたらすであろう産業から取り残されているのである。そして、合法化と規制を怠っている私たちは、闇市場を煽り、法執行に必要な多くの資源を浪費しているだけなのだ。

今こそ追いつく時だ。大麻を合法化する法案を私のデスクに送っていただきたい。しかし、その法案は業界が責任を持って規制され、課税されることを保証するものでなければならない。

ここペンシルベニア州で、特に犯罪化によって不釣り合いな被害を受けているコミュニティで、雇用を創出し、富を築く。そして、少量の非暴力的な大麻所持で有罪判決を受けた人々の記録を抹消する。

自らを縛るのをやめて、競争を始めよう。

シャピロ知事の予算案では、2024年7月1日から嗜好用大麻を合法化し、2025年1月1日から販売を開始することが提案されています。

具体的な合法化法案については記されていませんが、知事は嗜好用大麻の販売に20%の課税を行うことを想定。予算では2024年から2025年にかけて、1,480万ドル（約22億円）の税収が得られると見積もられています。

大麻の税収のうち、500万ドル（約7億円）は大麻の単純所持で投獄された人々の前科を抹消するなど、修復的司法の取り組みに充てられています。残りは農務省、州警察、州の一般財源に分配される見込みです。

シャピロ知事は、嗜好用大麻市場が軌道に乗れば、年間2億5,000万ドルの税収が州にもたらされると推定しています。

We need to legalize marijuana.

We’re losing out on an industry that would bring in more than $250 million in annual revenue.

And our failure to legalize and regulate marijuana only fuels the black market and drains much needed resources for law enforcement.

It's time to catch…
— Governor Josh Shapiro (@GovernorShapiro) February 6, 2024