オランダ、合法大麻の試験販売プログラムを拡大

現地時間6月17日、オランダで行われている合法大麻の試験販売プログラムが拡大され、合計80軒の「コーヒーショップ」で品質が保証された大麻が提供されるようになりました。

オランダで大麻は合法化されていませんが、5g以下の大麻の所持・5株までの栽培に関しては”容認”されています。この容認政策において、オランダでは「コーヒーショップ」と呼ばれる店で大麻を購入し、使用することが可能となっています。

一方、コーヒーショップにおける大麻の仕入れは違法な栽培業者によって成り立っている可能性が高く、この事実は治安や公衆衛生上の観点から問題視され続けていました。

このような中、オランダ政府は「Weed Experiment」と呼ばれるプログラムを開始することを決定。このプログラムは政府によって承認された栽培業者がコーヒーショップに大麻を供給することで、品質が保証された大麻を消費者に販売することを可能にするものです。

プログラムは2023年12月より、ティルブルフとブレダの2都市のみで開始。当初の予定通り、この約6ヶ月後となる今回、新たに8つの自治体において同様のプログラムが開始されました（8つの自治体：フローニンゲン、ザーンスタット、アルメール、アーネム、ナイメーヘン、フォールネ・アン・ゼー、ヘールレン、マーストリヒト）。

これにより、オランダでは現在、80軒のコーヒーショップにおいて品質が保証された大麻が提供されるようになっています。なお、このプログラムにはアムステルダムも参加する予定でしたが、この提案は議会により否決されました。

なお、プログラムの開始後には6週間の移行期間が設けられています。この期間中、プログラムに参加したコーヒーショップはこれまで通り”グレーゾーンの大麻”も提供することができますが、これ以降は政府が承認した大麻しか提供することができなくなります。

政府が承認する大麻栽培業者は全部で10軒とされていますが、現時点で稼働している業者は3軒のみ。そのため、オランダの規制当局は9月までにさらに2軒の栽培業者が稼働することを望んでいます。

合法大麻の試験販売プログラムは、2028年まで実施される予定です。

最新の世論調査によれば、オランダ国民の60%は大麻とハシシの生産、供給、販売を合法化すべきと考えています。

嗜好用大麻の試験販売はスイスでも開始されており、今後ドイツでも行われる予定。ヨーロッパ初の嗜好用大麻合法国となったマルタでは、非営利の「大麻クラブ」において大麻の販売が行われています。