コスタリカ、国内初の医療用大麻栽培ライセンスを発行

5月15日、中米の国コスタリカは、国内初となる医療用大麻の栽培・加工ライセンスを「アズール・ウェルネス（Azul Wellness）社」に発行しました。

コスタリカは、2022年3月に医療用及び産業用大麻を合法化し、同年9月には産業用大麻に関する規定、10月には医療用大麻に関する規定を施行。これらにより、ライセンスの申請受付が開始される運びとなりました。

コスタリカで産業用大麻とは「THC1.0%未満の大麻」のことを指し、この栽培ライセンスに関してはすでに国内で8件承認されています。そして今回、コスタリカで農民の日に当たる5月15日に農業畜産省のビクトル・カルバハル（Víctor Carvajal）大臣は、精神活性作用のある医療用大麻（THC1.0%以上）の栽培・加工に対する認可を、アズール・ウェルネス社に与えました。他にも現在、産業用大麻において2件、医療用大麻において1件のライセンス申請が評価中となっています。

コスタリカの民間企業部門商工会議所（UCCAEP）の会長ホセ・アルバロ・ジェンキンス（José Álvaro Jenkins）氏の一族が主に所有する企業であるアズール・ウェルネス社は、グアナカステ州フィラデルフィアに800㎡の大麻栽培・加工施設を設立することを予定しています。ジェンキンス氏によれば、同社は2022年8月に医療用大麻市場に参入するコスタリカ初の企業となることを意図して設立されました。

アズール・ウェルネス社は、大麻市場に投資を行う「メリダ・キャピタル・ホールディングス（Merida Capital Holdings）」と提携。2種類の精神活性作用のある大麻を栽培し、コスタリカ国内ではなく、まずは国外の出荷に重点を置くとしています。

また、今後はメリダ・キャピタル・ホールディングスの投資のもと、コスタリカにおいて医療用大麻の研究所を設立することも想定していると、ジェンキンス氏は語っています。

2022年5月に就任したコスタリカ現大統領ロドリゴ・チャベス（Rodrigo Chaves）氏は、嗜好用大麻の合法化を公約に掲げており、これに対しジェンキンス氏も支持を表明しています。チャベス大統領は、2022年10月に嗜好用大麻合法化に向けた草案を発表しましたが、野党や様々な団体から反対を受けており、現在も審議が難航しています。