米ノースダコタ州、ホスピス入所者が自己申告のみで医療用大麻カードを取得することを可能に

米ノースダコタ州、ホスピス入所者が自己申告のみで医療用大麻カードを取得することを可能に

/

2016年以降、エディブル以外の医療用大麻が合法となっている米ノースダコタ州。

3月27日、ホスピス入所者が自己申告のみで医療用大麻の登録カードを取得できるとした法案に、州知事が署名したことが明らかとなりました。

※ホスピスとは

死を目前にした患者の様々な苦痛を緩和し、最期の時を穏やかに過ごすことを目的とした施設やケアを指す。

この法案は下院で86対6の賛成多数、上院で45対0の全会一致で通過しており、ダグ・バーガム(Doug Burgum)州知事のもとへ送られていました。

この法案により、ホスピスに入所中の患者は、医師からの推薦の代わりに、ホスピスに入所していることを証明する書類を提出することで、医療用大麻の登録カードを入手することができます。登録カードの申請は無料。規制当局は書類を受け取ってから14日以内に登録カードを発行する必要があります。

なお、この法案は当初、65歳以上であれば誰でも自己申告で医療用大麻の登録カードを取得できる予定でしたが、この部分は下院委員会で修正され、削除されています。

上院多数派党員集会のトップである共和党議員クリスティン・ロアーズ(Kristin Roers)氏は、法案を州知事に送る前、議場において「ホスピス入所者は、手続きを全て完了させる時間がないことが多いです」「そのため、ホスピス入所者が医療用大麻を入手できるのであれば、その行程を少しでも楽になるようにしたかったのです」と発言。

さらにロアーズ氏は、大麻がオピオイドの代替となり得ることから、入所者が大麻を入手することで 「家族と共に過ごす人生最後の日や最後の時間に、よりはっきりとした状態でいるのに役立つかもしれません」と付け加えました。

この法案とは別に、ノースダコタ州議会は今月、医療用大麻販売店が30日ごとに最大6,000mgのTHC製品を患者に販売できる法案を可決(元々は4,000mg/月)。この法案の背景として、痛みなどの症状緩和のために、より高用量のTHCを必要とする患者がいることが挙げられています。

一方、同州の議員らは、医療用大麻事業者にエディブル製品の販売を認めるとした2つの法案を否決しています。

また、1月30日、ワシントンD.C.市長は、自己申告のみで医療用大麻登録カードの取得を可能にするなどした医療用大麻拡大法案に署名。この法案は連邦議会からの審査を受けていましたが、3月22日より無事法制化されています。

Marijuana Moment「North Dakota Governor Signs Bill Letting People In Hospice Care Self-Certify As Medical Marijuana Patients」https://www.marijuanamoment.net/north-dakota-governor-signs-bill-letting-people-in-hospice-care-self-certify-as-medical-marijuana-patients/

MJBizdaily「Medical marijuana limits to increase in North Dakota」https://mjbizdaily.com/medical-marijuana-limits-to-increase-in-north-dakota/

MJBizDaily「North Dakota lawmakers say no to sales of medical marijuana edibles」https://mjbizdaily.com/north-dakota-lawmakers-say-no-to-sales-of-medical-marijuana-edibles/

Marijuana Moment「D.C. Medical Marijuana Expansion Bill Eliminating Licensing Caps Becomes Law Following Congressional Review」https://www.marijuanamoment.net/d-c-medical-marijuana-expansion-bill-eliminating-licensing-caps-becomes-law-following-congressional-review/

廣橋 大

麻マガジンライター。看護師国家資格保有者。2021年より大麻の情報発信に携わる。

Recent Articles

大麻成分CBDが月経関連症状を緩和

大麻成分CBDの摂取により、月経関連症状に悩む女性の諸症状が緩和されたことが報告されました。論文は「Experimental and Clinical Psychopharmacology」に掲載されています。月経(生...

米国が連邦法で大麻規制を緩和へ 歴史的転換

現地時間4月30日、DEA(米国麻薬取締局)が連邦法における大麻規制を緩和する方針であることが報じられました。この規制緩和は大麻について乱用の可能性が低く、医療的価値があることを認め...

CBDゲルが顎関節症の痛みや歯ぎしりを改善

大麻成分CBDを含んだゲルを口腔内に塗布することで、顎関節症患者の痛みや歯ぎしりなどが緩和されたことが報告されました。論文は「Journal of Clinical Medicine」に掲載されています。顎関節...