カナダ名門大学が「大麻生物学」を新設

カナダ名門大学が「大麻生物学」を新設

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カナダのブリティッシュコロンビア州にある名門州立大学「ブリティッシュコロンビア大学(UBC:University of British Columbia)」は来年より、大麻を通して生物学を学ぶことができる履修科目「Biology of Cannabis」を新設します

この新たな3単位の科目では、光合成や植物の代謝といった生物学的概念を学生に教える方法として、大麻の研究に焦点が当てられています。

他にも、人のエンドカンナビノイドシステムや神経科学、大麻の医療・消費者製品・繊維目的での活用に加え、大麻の歴史などについて学ぶことができます。

この科目の最初の受講期間は2024年1月8日〜4月12日までとなっていますが、すでに30名の学生が登録しており、キャンセル待ちの状態となっています。

講師を担当するブリティッシュコロンビア大学植物学部の科学教育専門家であるクリスティン・ゲドハート(Christine Goedhart)博士は「カナダで成人による大麻の使用が合法化されたのは2018年のことです。それ以来、大麻は社会的により受け入れられるようになり、主流の文化、社会、健康、経済制度にますます組み込まれてきています」

「そのため、学生はいずれ大麻と接することになる可能性が高く、どのように大麻と関わるかについて、十分な情報を得た上で決断する必要があるでしょう」と述べています。

一方、ブリティッシュコロンビア大学は大麻の研究にも積極的に取り組んでいます。

例えば、同大学は2022年よりオーロラ・カンナビス(Aurora Cannabis)社と協力し、カナダの気候や環境に適した大麻の品種を開発することで、国内で屋外栽培を可能にするプロジェクトを開始しています。屋内栽培によって排出される大量の二酸化炭素を減らすことを目的としており、最終的には国内の大麻産業における二酸化炭素排出量を96%削減することを目指しています。

また、今年4月に同大学の研究チームは、慢性骨盤痛を有する女性135名を対象とした実態調査を行うことで、大麻の使用が痛み、精神面、QOLなど様々な面でポジティブな効果をもたらしていたことを明らかにしています

なお、昨年にブリティッシュコロンビア大学は敷地内に嗜好用大麻の販売店をオープンしており、オカナガンキャンパスでは敷地内の指定場所で大麻を喫煙することも可能となっています。

The University of British Columbia「New courses focus on cannabis, data ethics, and machine learning」https://science.ubc.ca/news/new-courses-focus-cannabis-data-ethics-and-machine-learning

StratCann「UBC opens new Biology of Cannabis course」https://stratcann.com/news/ubc-opens-new-biology-of-cannabis-course/

StratCann「UBC and Aurora Cannabis looking at developing better outdoor cultivars for Canada」https://stratcann.com/provinces/british-columbia/ubc-and-aurora-cannabis-looking-at-developing-better-outdoor-cultivars-for-canada/

Mugglehead Magazine「UBC researchers aim to reduce cannabis industry’s carbon footprint by 96%」https://mugglehead.com/ubc-researchers-aim-to-reduce-cannabis-industrys-carbon-footprint-by-96/

The University of British Columbia「Cannabis on Campus FAQs」https://universitycounsel.ubc.ca/homepage/faqs/cannabis-on-campus-faqs/

廣橋 大

麻マガジンライター。看護師国家資格保有者。2021年より大麻の情報発信に携わる。

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