スイス・バーゼルでの嗜好用大麻の試験販売プログラムが遂に開始

スイス・バーゼルでの嗜好用大麻の試験販売プログラムが遂に開始

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スイスのバーゼルでは2022年9月、嗜好用大麻を試験的に販売するプログラムが開始される予定となっていましたが、販売される予定であった大麻製品が条例に規定されていた品質基準をわずかに満たしていなかったことが原因となり、延期となっていました

それから約4ヶ月の時を経て1月30日、ついに嗜好用大麻の試験販売がバーゼルで開始となりました。

このプログラムはバーゼル・シュタット州保健省、バーゼル大学、精神病院などの主導で実施されており、嗜好用大麻の合法化が大麻の消費パターンや健康に与える影響について調査することを目的としています。

そのため、プログラム参加者は2ヶ月に1回、健康状態や大麻の消費に関するアンケートに回答する必要があります。

また、スイス連邦公衆衛生局(FOPH)は大麻関連のソフトウェア企業Cannnavigia社と共同で、大麻の栽培から消費までを監視・追跡できるトレーサビリティーシステムCDS(Cannabis Dispensary system)を開発し、この試験販売プログラムに導入しています。

これにより製品1つ1つの透明性が高まることとなり、参加者の大麻製品の消費状況を詳細に把握できるだけでなく、品質保証や未成年の使用予防など、消費者の保護にも役立てることができるようになっています。

このプログラムには数多くの参加希望者がいましたが、実際にプログラムの参加資格を得たのは18歳から76歳までの374名。参加者は2グループに分けられ、約180名から成る第1グループは1月30日より大麻を購入できますが、残りの参加者(第2グループ)は6ヶ月以降から購入が可能となるようです。

参加者は少なくとも1年間は大麻を購入することができ、途中で試験から脱退することも可能。プログラムは最低でも2025年3月まで実施される予定です。

High Times Magazine「Cannabis Pilot Program Kicks Off in Switzerland」https://hightimes.com/news/cannabis-pilot-program-kicks-off-in-switzerland/

Newsendip「For the first time in Switzerland, few selected people can legally buy cannabis for recreational use as part of a study」https://www.newsendip.com/for-the-first-time-in-switzerland-few-selected-people-can-legally-buy-cannabis-for-recreational-use-as-part-of-a-study/

BusinessCann「Transparency For Cannabis Pilot Trials In Switzerland」https://businesscann.com/transparency-for-cannabis-pilot-trials-in-switzerland/

Cannabis Health News「Transparency for cannabis pilot trials in Switzerland」https://cannabishealthnews.co.uk/2023/01/30/transparency-for-cannabis-pilot-trials-in-switzerland/

廣橋 大

精神病院に勤める現役看護師。2021年初頭より大麻使用罪造設に向けた動きが出たことをきっかけに、麻に関する情報発信をするようになる。「Smoker’s Story Project」インタビュアー。

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