カリブ海西インド諸島にある小さな島国、バルバドス。
バルバドスは2019年に医療用大麻を合法化。2020年以降、バルバドス医療用大麻認可局(BMCLA:Barbados Medicinal Cannabis Licensing Authority)が発行するライセンスのもと、医療用大麻の栽培や製造、輸送、加工、販売、輸入、輸出、研究、開発などが可能となっています。
多発性硬化症や慢性疼痛など特定の病状を持つ患者は、認可された医師から処方を受け、認可された薬剤師から医療用大麻製品を調剤してもらうことができます。現在バルバドスで承認されている医療用大麻製品は5種類のみで、喫煙は認められていません。
3月21日、医療用大麻認可局長であるシャニカ・ロバーツ・オードル(Shanika Roberts–Odle)氏は、大麻産業への関心が高まっていることを受け、国内初となる医療用大麻専門の治療施設を開設することを元老院(上院)議会で発表しました。当施設は来年オープンの予定です。
オードル氏は国内において、ライセンス付与が進展していることを強調。当初は2社に対し9件のライセンス承認を行いましたが、現在はさらに6社に対し10件のライセンスを承認。また、ライセンスの有効期限は5年間で、他国よりも長いことをアピール。
オードル氏は「誰も興味を示さず、参入は不可能と言われていたこの国の業界で、これは進歩です」「2023年から2024年には、この国で最初の治療施設が開設される予定です。私たちはすでに初めての実用的な医療用大麻農場を立ち上げ、稼働させています」と述べました。
また、オードル氏は、業界に参入したい事業者に向けた追加トレーニングを提供する予定であることも発表。
医療用大麻認可局はこれまで研修や研究開発でも成果を上げており、現在2期目を迎えている無料の3期制大麻集中講座プログラムが、店員オーバーになるほど好評であることも報告しています。3期目の講座では、医療用大麻で治療を行う医師を養成するための独自トレーニングプログラムを有する西インド諸島大学(University of the West Indies)の協力を得ているとのこと。
バルバドスでは、2020年に14g以下の大麻所持が非犯罪化されていますが、それを超える大麻の所持・使用や嗜好目的での栽培は違法となっています。
ジャマイカやアンティグア・バーブーダといったカリブ海の他の国と同様、バルバドスにもラスタファリアンが居住しています。2019年にバルバドスは、認可されたラスタファリアンが宗教的な目的で大麻を使用することを承認しています。
なお、アンティグア・バーブーダは3月8日、ラスタファリアンが宗教目的で大麻を栽培することをカリブ海で初めて正式に文書化し認めています。
Barbados Today「First local medicinal cannabis therapeutic facility coming」https://barbadostoday.bb/2023/03/22/first-local-medicinal-cannabis-therapeutic-facility-coming/
St Vincent Times「Barbados to get its first medicinal cannabis therapeutic facility」https://www.stvincenttimes.com/barbados-to-get-its-first-medicinal-cannabis-therapeutic-facility/
MJBizDaily「Barbados medical cannabis law clears final hurdle in Parliament」https://mjbizdaily.com/barbados-medical-cannabis-law-clears-final-hurdle-in-parliament/
Barbados Today「Law to be amended to end arrests for small amounts of cannabis」https://barbadostoday.bb/2020/09/16/law-to-be-amended-to-end-arrests-for-small-amounts-of-cannabis/
Barbados Today「‘Rasta ganja’」https://barbadostoday.bb/2019/09/21/rasta-ganja/
Barbados Medicinal Cannabis Licensing Authority https://www.bmcla.bb