米国のSNS大手のTwitterはElon Musk(イーロン・マスク)氏からの買収提案を受け入れることで合意したと発表しました。
買収価格は1株あたり54.20ドル。買収総額は440億ドル(約5兆6000億円)で、Twitterの取締役会が全会一致で承認したこの取引は、Twitterの株主の承認、規制当局の承認等を条件として、今年中に完了する予定です。買収完了後のTwitterは、株式非公開企業となります。
TwitterのBret Taylor(ブレット・テイラー)取締役会議長は「提案の価値や資金調達の方法など深く包括的に評価しました。株主にとって最善の道だと信じている。」と述べています。
今回の合意を受けてイーロン・マスク氏は、以下のようにツイートしています。
「言論の自由は民主主義が機能するための基盤であり、Twitterは人類の未来にとって不可欠な事柄が議論されるデジタルな街の広場です。また、新機能による製品の強化、信頼を高めるためのアルゴリズムのオープンソース化、スパムボットの撃退、すべての人間の認証など、Twitterをこれまで以上に良くしていきたいと考えています。Twitterは非常に大きな可能性を秘めています。私は、会社やユーザーのコミュニティと協力して、その可能性を解き放つことを楽しみにしています。」
🚀💫♥️ Yesss!!! ♥️💫🚀 pic.twitter.com/0T9HzUHuh6
— Elon Musk (@elonmusk) April 25, 2022
買収価格54.20ドルの意味
54.20ドルでTwitterの株式を100%購入すると申し出たマスク氏ですが、
「420」は、大麻のことを表す単語として英語圏であれば誰もが知る言葉です。
また、マスク氏が「420」を使用したのは今回が初めてではありません。
2018年8月8日には「テスラを1株420ドルで株式の非公開化することを検討している」とツイートしたことでSEC(米国証券取引委員会)との訴訟問題に発展。
2019年12月24日にテスラの株価が420ドルになったときには「Whoa … the stock is so high lol. (おっ… 株価がハイだ 笑)」とツイート。
2020年6月6日には「大麻の販売はアメリカの多くの地域で重罪から不可欠なビジネス(パンデミック時には営業)へと変化しましたが、それでも多くの人がまだ刑務所にいます。意味がないし、正しくない」とツイートするなど、マスク氏は大麻への言及を何度も行なっています。
litとは
イーロン・マスクは、今月に入りTwitter社の株式を9.2%取得した後の4月7日には「Twitter’s next board meeting is gonna be lit」とツイートしています。
日本語に訳すと「Twitterの次の取締役会はlitだ。」となりますが、「lit」にはスラングとして「最高!」という意味の他に「火をつける」や「酔っ払う」という意味があります。
— Elon Musk (@elonmusk) April 7, 2022
また、ツイートの写真はJoe Rogan(ジョー・ローガン)の有名番組に出演した際にマリファナを使用した時のものとなっています。
Joe Rogan Experience(YouTube:英語)
Joe Rogan Experience(YouTube:英語)
大麻とSNSの未来
主要なSNSプラットフォーム(Facebook、Instagram、YouTube、TikTok、Twitter)は大麻の言及に対して非常に神経質となっており、シャドーバン(自分の投稿が他のユーザーのタイムラインに表示されない状態)や収益化停止、アカウントの停止・削除などの措置が取られています。
比較的Twitterは大麻に対して自由なツイートが認められているものの、特にMeta社が所有するFacebookやInstagramは非常に厳しく、大麻に関わる企業やインフルエンサーに対しては大麻に関係のない投稿をしていても違反フラグが立てられアカウント停止となることもあるほどです。
今回のマスク氏によるTwitter買収は、大麻業界に対して大きな影響を与える可能性があります。また、Twitterの今後の変化によって他のSNSにも影響を与えるかもしれません。
source PR Newswire