米議会上院院内総務のチャック・シューマー(Chuck Schumer)議員らが待望の連邦政府レベルでの大麻合法化法案の草案を発表した数分後にホワイトハウスの報道官は、ジョー・バイデン大統領がこの改革に反対していることを表明しました。
ジェン・プサキ報道官は、新しい合法化法案の草案について質問され「何も変わっていないし、新たな法案の支持もない」と述べました。
しかし、バイデン大統領が選挙戦で公約したように、所持の非犯罪化など、より段階的に改革を進める動きに対しては「encouraged(勇気づけられる)」と答えました。
上院院内総務のチャック・シューマー(Chuck Schumer)氏、上院財務委員会のロン・ワイデン(Ron Wyden)委員長、コーリー・ブッカー(Cory Booker)上院議員が作成してきた大麻合法化法案の発表を、支持者たちは心待ちにしていました。
しかし、今回の報道官の発言は、例えこの法案が議会を通過したとしても、大統領の反対に遭う可能性があることを示唆しています。
今回の報道官の発言は大麻改革推進派にとっては残念なものですが、合法化を世間が求め、民主党内でも人気のある事項にも関わらず、これまでバイデン大統領が反対の立場を貫いてきたことを考えれば予想外ではありません。
昨年の大統領選挙では、バイデン氏は大麻所持の非犯罪化、過去の大麻犯罪記録の抹消、州による大麻法改正の権利の尊重など、大麻改革を公約に掲げていました。しかし、就任以来、この公約を進展させないだけでなく、ホワイトハウスのスタッフを大麻問題で解雇したり、ワシントンD.C.が大麻販売を合法化するのを妨げるための予算条項の延長を求めたりしています。
最近は、陸上100m最速女王であるシャカリ・リチャードソン(Sha’Carri Richardson)選手が大麻の陽性反応で東京オリンピック出場停止処分を受けたことを受けて、大麻に関するアスリートのルールを見直す必要があると示唆し、一部の人を驚かせましたが、現在の世論の流れである大麻改革を支持するものではないようです。