現在、アメリカ合衆国では18の州が嗜好用大麻を合法化しており、コロンビア特別区、プエルトリコ、グアム、米領ヴァージン諸島を含む37の州が医療用大麻を合法化していますが、連邦政府レベルでは違法のままです。
民主党の上院議員たちは、米議会上院史上初めて、連邦政府によるマリファナ禁止法を廃止し連邦政府の規制物質リストからマリファナを除外する方向で動き出しました。
待望のアメリカ連邦政府レベルでの大麻合法化法案の第一次草案が発表され、上院議員たちはこの法案が関係者、支持者、公衆衛生関係者、法執行機関などの主要な懸念事項に対応していると確信していますが、これが法案の最終的な形ではなく、2021年9月1日までパブリックコメントの期間を設けています。
法案を一部要約
連邦政府によるTHCを含む大麻の規制物質からの削除、大麻犯罪の前科の抹消、現在服役中の受刑者の再審請求の許可、州による独自の大麻の法律の決定権の維持などを目的とする。
この法案承認後は、多くの人々の生活に即効性があり大麻犯罪で刑務所に入っている受刑者たちが解放されることになります。
各州がアルコールと同じように独自の大麻法を作ることを認め、大麻を合法化している州において大麻事業者や消費者が連邦法に接触し民事及び刑事上の罰則を受ける可能性があるという混乱を解消。
法案が成立した最初の年には、大麻に10%の税金が課せられ、この税率は翌年以降15%、20%、25%と毎年上昇。5年目以降は、大麻の花の場合は1オンス(約28グラム)あたりの税率、大麻抽出液の場合はTHCのミリグラムあたりの税率で課税される。また、税収の一部は薬物犯罪による影響を最も受けている地域の人々が大麻産業に参加することを支援する助成プログラムに充てる。
大麻の規制権限を麻薬取締局(DEA)から食品医薬品局(FDA)、アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局(ATF)、アルコール・タバコ税貿易局(TTB)に移す。
州の法律に即した大麻ビジネスは、他のビジネスと同様に扱われ、銀行口座やローンなど金融サービスの利用を認める。
医学研究が阻害されることもなくなり、研究が急速に進むことも期待される。
上院院内総務のチャック・シューマー(Chuck Schumer)氏、上院財務委員会のロン・ワイデン(Ron Wyden)委員長、コーリー・ブッカー(Cory Booker)上院議員は、現地時間7月14日(水)に記者会見を開き、連邦政府の大麻合法化法案を発表します。この法案は、「大麻管理および機会に関する法律(Cannabis Administration and Opportunity Act)」と題した163ページにも及ぶ大規模なものです。
しかし、上院共和党のリーダーであるミッチ・マコンネル(Mitch McConnel)氏を筆頭に、多くの共和党議員がマリファナ合法化に反対しています。
「マリファナの合法化を支持する予定はない」とマコンネル氏は2018年にヘンプ合法化支持を表明した際に、マリファナとヘンプは全く別の植物であると主張しています。