東京弁護士会の調査 - 日本の警察の人種差別的職質の実態が浮き彫りに

東京弁護士会の調査 – 日本の警察の人種差別的職質の実態が浮き彫りに

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東京弁護士会「外国人の権利に関する委員会」が外国にルーツを持つ人に対して実施した職務質問(職質)に関する調査結果が9月9日公開されました。

今回の調査は2022年1月11日〜2月28日にオンラインなどで実施し、2094人がアンケートに参加しました。

調査結果によると、過去5年間に職質を受けたことがあると回答した人は62.9%。そのうち2回〜5回程度職質を受けた人は50.4%、6回〜9回程度職質を受けた人は10.8%、10回以上は11.5%でした。

出身地別では、職質を受けたことがあると回答した人の比率が高い順に中南米の83.5%、アフリカ82.9%、中東75.6%と続き、日本人と外見的特徴が似ている東アジアの国になるほど職質は少なくなることが顕著に分かりました。

また、身体的特徴などによって外国をルーツとすることを警察官が認識したことによる職質であったと回答した人は85.4%に上りました。また、76.9%の人が外国にルーツを持つ人であること以外に警察官から声をかけられる理由がなかったと回答しました。

アンケートの自由回答欄には「日本で生まれ育ちましたが、『お前ら外国人は国に帰れや。外人に人権などない。国に帰れ。家族そろって国に帰れ』と怒鳴りつけられました」という訴えもありました。

こうした外国人への職質を問題視した在日米国大使館は昨年12月、日本の警察が外国人であることを理由に職務質問を行うという「人種差別的な事案」が発生していると異例の警告を行っています。

外国人、服装、髪型、タトゥー、車などの見た目によって職務質問を行うことは許されておらず、警察官職務執行法2条1項による職務質問の対象は、「異常な挙動」「周囲の事情から合理的に判断し犯罪を犯(そうと)している」に限られており、警察官が職務質問を行うことができる根拠である1948年制定の警察官職務執行法の2条1項には、以下のように規定されています。

警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。

(引用 警察官職務執行法

他にもアンケートの自由記載欄には「失礼な態度」「不快」「不愉快」「タメ口」「高圧的」「横柄」等の記述が一定数あり、職質を受けた人の70.3%が「警察官の質問・態度で気分を悪くした」と回答し、38.5%は言葉遣いなどが「丁寧でなかった」と回答しています。

石井 竜馬

麻マガジン創設者兼編集長。標高1,000mの山の中で井戸を掘り、湧き水と共に家族で農的暮らし。珈琲焙煎士でもある。ヨガ歴20年。ワクワクするスタートアップにシードからレイターまで投資ラウンド問わず投資したいため、起業家との出会い募集中。

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