厚労省、大麻規制に関するパブリックコメントを受付開始

厚労省、大麻規制に関するパブリックコメントを受付開始

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5月30日、厚生労働省は大麻規制に関するパブリックコメントの受付を開始しました。

昨年12月6日、「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律案」が国会で可決。同法は12月13日に公布されました。

この法律は大麻の産業利用を拡大し、医療用途での活用を可能にすることを主な目的としています。しかし、具体的な規制に関してはまだ十分に検討されていません。

そのため、厚生労働省は現在、これらの規制を決定するにあたり国民から広く意見を聞き入れています。意見はオンラインで提出でき、受付期間は6月28日まで。

パブリックコメントは、以下の5件について募集されています。

  1. 第一種大麻草採取栽培者免許申請の審査に当たっての考え方(案)に関する意見

  2. 大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案に関する意見

  3. 大麻草の栽培の規制に関する法律施行令案に関する意見

  4. 「大麻由来製品に含まれるΔ9-THC の標準的な分析法(案)」に関する意見

  5. 「第二種大麻草採取栽培者免許申請の審査に当たっての考え方(案)」及び「大麻草研究栽培者免許申請の審査に当たっての考え方(案)」に関する意見(これに関してのみ、受付期間は6月12日まで)

第一種大麻草採取栽培者免許申請の審査に当たっての考え方(案)に関する意見

第一種大麻草採取栽培免許とは、産業用途で大麻草を栽培する者に与えられる免許のこと。免許は都道府県知事によって交付されます。

パブリックコメントでは、第一種大麻草採取栽培免許を交付するための審査基準についての意見が募集されています。規制案では、大麻草の栽培場所や面積、保管方法、管理体制、種子の入手先の確認、盗難防止対策などについて記載されています。

ここで重要なのは盗難対策であり、厚生労働省は栽培される大麻草のTHC含有量が極めて低いことを考慮し、状況に応じて従来の厳重な対策を緩和することを検討しています。

かつて4万人ほど存在していた日本の大麻農家は、現在30名を下回っています。盗難対策は重要ですが、厳重すぎる対策は多大なコストと労力をもたらします。

日本の伝統や産業を守る大麻農家を増やすためには、高すぎない参入障壁を設けることが大切になるでしょう。

大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案に関する意見

ここでは、大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律案に関連した様々な政令についての意見が求められています

最も重要なのは、日本において合法とみなされる大麻の「THC残留値の具体的な数値」です。新たな改正法では、大麻草の茎・種以外の部位を違法としてきた「部位規制」から、THC残留値を基準とした「成分規制」へと変更されますが、この具体的な数値については未だ決定されていません。

規制の事前評価書では「大麻草の乾燥重量に対し0.3%」が提案されており、これは米国やEUで定められている数値と同様となっています。

大麻草の栽培の規制に関する法律施行令案に関する意見

大麻草研究栽培者の免許に関する政令についての意見が募集されています

改正法によれば、研究目的で大麻を栽培するためには厚生労働省から免許を受ける必要があります。

政令の概要によれば、大麻草研究栽培者免許の申請手数料は12,900円であり、再交付の手数料は5,500円とされています。

「大麻由来製品に含まれるΔ9-THC の標準的な分析法(案)」に関する意見

改正法では、THCの残留値を基準とした成分規制が採用されます。この規制は栽培される大麻草だけでなく、市販のCBD製品にも適用されます。そのため、事業者はCBD製品の流通にあたり、THC残留値が基準以下であることを証明する必要があります。

規制案では、THCの残留値を定量化するための標準的な分析方法が提案されており、厚生労働省はこれについて意見を求めています

「第二種大麻草採取栽培者免許申請の審査に当たっての考え方(案)」及び「大麻草研究栽培者免許申請の審査に当たっての考え方(案)」に関する意見

「第二種大麻草採取栽培者免許」とは、CBD等の医薬品原料の採取を目的とした大麻草を栽培する者に与えられる免許のこと。免許は厚生労働省大臣によって交付されます。

第一種大麻草採取栽培者と同様、パブリックコメントでは第二種大麻草採取栽培者免許の審査基準についての意見が求められています

なお、第一種大麻草採取栽培者と異なり、第二種大麻草採取栽培者ではTHC濃度の高い大麻草の栽培が想定されるため、非常に厳重な盗難対策が提案されています(屋内栽培、警報システム、監視カメラの設置など)。

また、ここでは大麻草研究栽培者免許の審査基準についての意見も募集されています。

上記の規制案に対する意見は、以下より提出可能です。

廣橋 大

麻マガジンライター。看護師国家資格保有者。2021年より大麻の情報発信に携わる。

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