アメリカ合衆国の州の中で最大の人口を誇るカリフォルニア州において、タバコの販売を今後段階的に全面禁止にする法案「Assembly Bill 935」が提出されました。
この法案は、現在タバコを使用している人がタバコ製品を購入・使用することは認めていますが、現在16歳未満である2007年1月1日以降に生まれた人へのタバコ製品の販売をすべて違法とするものです。
タバコ製品の所持や使用の法律を犯した個人に対しては罰則を課さないものの、法律を犯した小売業者に対しては、金銭的な罰則とタバコ販売免許の停止を定めています。また、この禁止の法案は大麻へは適用されません。
「これは、現在の権利を奪うということではなく、ニコチン中毒の新しい世代を作らないということです」と法案の提出者であるデーモン・コノリー(Damon Connolly)氏は述べています。
また、コノリー氏は、宗教的、文化的な使用に対する免除を設けるような修正案を受け入れるとしています。
カリフォルニア州では、2020年にギャビン・ニューサム知事がフレーバータバコ製品の販売を禁止する法案に署名。タバコ業界は抵抗し、有権者に法律の阻止を求めましたが、有権者は法律の発効を許可しており、コノリー氏は「これは、その論理的な次のステップなのです」と述べています。
また、「CBS News」は、今回のタバコを禁止とする法案が法律化されれば、タバコ産業からの強い反対に直面し、タバコ産業は米国最大の市場を維持するために戦う可能性が高いと報じ、カリフォルニア州小売たばこ店協会(California Association of Retail Tobacconists)のチャールズ・ジャニジアン(Charles Janigian)会長は、「(禁止令は)多くの雇用に影響を与え、カリフォルニア州の経済全体に波及するだろう」と述べています。カリフォルニア州税・料金規制局によるとカリフォルニア州は2021年に15億ドル(約2,043億円)以上のタバコ税を徴収しています。
ニュージーランドでは同様の法律がすでに施行されており、2009年1月1日以降に生まれた人へのタバコ製品の販売を禁止しています。米国では、マサチューセッツ州ブルックライン市が2000年1月1日以降に生まれた人へのタバコ製品の販売を禁止する法律を制定し、これまでのところ裁判所もその効力を認めています。
KCRA「Anyone born after 2006 could never buy tobacco products under new California bill」https://www.kcra.com/article/california-ab-935-no-tobacco-sales-born-after-2006/43049994
Petaluma Argus-Courier「California bill would eventually ban all tobacco sales」https://www.petaluma360.com/article/news/california-bill-would-eventually-ban-all-tobacco-sales/
High Times Magazine「California Bill Would Ban Tobacco Sales to All Born After 2006」https://hightimes.com/news/california-bill-would-ban-tobacco-sales-to-all-born-after-2006/
AP News「Voters approve California law banning flavored tobacco」https://apnews.com/article/business-california-san-diego-6a4872d1572e0aca7fd578b147fed518