米国女性37%が大麻を使用 しかし3人に2人が大麻使用を周囲に明かさず

米国女性37%が大麻を使用 しかし3人に2人が大麻使用を周囲に明かさず

- 大麻と女性にまつわる問題

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3月8日は「国際女性デー(International Women’s Day)」。1975年に国連はこの日を、女性の社会参加と地位向上を訴え、女性の素晴らしい活躍と勇気ある行動を称える日としました。

2023年の国際女性デーに米国の大麻企業「メッドメンエンタープライズ(MedMen Enterprises)社」は、アメリカに住む女性の大麻消費習慣についての調査結果を発表

この調査は2023年2月28日〜3月2日の間に、メッドメン社から委託を受けた市場調査・分析会社「ハリスポール(The Harris Poll)」によって実施されました。

21歳以上の女性が調査対象となり、有効回答者数は1,021名。

調査の結果、回答者の3分の1以上(37%)が大麻を使用していたことが明らかに。このうち28%が月に1回以上の頻度で大麻を使用しており、年齢別では21〜44歳で57%と多く、45歳以上は22%でした。

大麻を使用する女性のうち、91%がディスペンサリーで合法的に大麻を購入。32%が大麻のために月に100ドル以上を費やしています。

大麻の摂取方法として好まれたのは、エディブル(57%)、花・プリロール(43%)、ベイプ(39%)。

使用理由として多かったのは、不安を解消するため(60%)、睡眠を助けるため(58%)、痛みを和らげるため(53%)でした。

しかし、大麻を使用する女性の約3人に2人(65%)は、両親(26%)、子ども(22%)、同僚(21%)などに対し、自分が大麻を使用していることを伝えていないと回答。

大麻使用者の27%が、大麻の使用において特に懸念するものはないとする一方、20%が薬物検査を最大の懸念事項として挙げました。

メッドメン社の最高製品責任者であるカレン・トレス(Karen Torres)氏は「3月は女性を祝福し、女性にとって重要な問題に対する意識を高める意義のある時期です」「女性が健康やウェルネスにおいてますます大麻に注目するようになっていることを、女性と自認する従業員や消費者から肌で感じています。しかし、スティグマが強く、私たちはその経験を自由にシェアすることを妨げられているのは明らかです」とコメント。

続けて、「幸いなことに、大麻の使用は、特に痛みや不安の管理に役立つ総合的な解決策を求める女性や、単にリラックスを求める女性の間で人気となっていることが、この調査で確認されました」「大麻消費者の顔ぶれは変化しており、当社の顔ぶれも同じように変化しています。今回の結果は、女性のお客様をより良く理解して対応するための助けとなり、歓迎されながら力を与えられる小売体験を生み出すのに役立つでしょう。これには、女性が経営する上品なブランドのポートフォリオの拡大も含まれます」と述べています。

2021年に実施された「Brightfield Group」の調査では、女性の大麻使用者はミシガン州で59%、コロラド州やワシントン州では58%以上であったことが報告されています。

大麻と女性におけるスティグマ

大麻消費者と言えば、一般的に男性が頭に思い浮かびやすい傾向がありますが、上記の結果を見ても分かるように、女性の消費者も多くいることが分かります。

しかし、大麻を使用する女性の周りには、母性や子育てに関するスティグマが未だに存在すると言われています。これに関しては、「子育てをしながら大麻を吸う母親たち」の記事を見ても明らかです。

科学者であり、「Victus Consulting Ventures」の創業者兼CEOであるアリシア・ラトリフ(Aliisia Ratliff)氏は、Cannabis Health Newsのインタビューに対し、以下のように話しています。

「私は産後うつ病を経験しましたが、自分らしくないと感じるような薬を使いたくなかったんです」「大麻が役に立つかどうか試してみました。その瞬間から、私はこの植物に対して間違ったスティグマを持っていたことに気づきました。母親でありながら責任を持って消費することができ、必要な病気に使用することが可能だということが分かったんです」

「女性は自分自身に課している障害や、ママになった時に期待する役割のようなものを乗り越えなければならないと思っています」

この意見に、同じインタビューに参加していた大麻ビジネス調査会社「Prohibition Partners」のイベントマネージャーであるオリビア・デイビス(Olivia Davis)氏は、共感を示しました。

「間違いなくスティグマがありますね。親が夜にワインを飲むのと同じように、大麻を消費することができるようになるべきだと思います」

これまでの研究において、大麻は生理痛、子宮内膜症更年期障害やそれに伴う痛み不安不眠性欲減退などに対し、有効性を示しています。

デイビス氏は「長年に渡り、大麻は女性が身体の苦痛を和らげるために使われてきました。これは大麻ならではの市場崩壊のチャンスです」と語ります。

これに続き、ラトリフ氏は「イブプロフェン(鎮痛剤)を飲みたくなくて、CBDTHCなどの研究を調べてきました。(これらを含んだ)お腹に塗る外用薬や様々な種類の座薬が生産されていて、カリフォルニア州ではタンポンさえ販売されています」

「これを女性の薬として使用することは大変発展的であり、ネガティブなスティグマを払拭するための最大な要素となっていると思います」

大麻業界と女性

大麻業界は他のほとんどの業界と同様、白人男性によって支配されています。

MJBizDailyが実施した調査では、市場の成長とともに大麻業界に従事する女性の数は増えているものの、2022年にこれらの企業で幹部を務めた女性の割合は4分の1以下(23.1%)であり、さらにこの割合は有色人種において12.1%であったことが明らかとなっています。

カナダのトロント大学による2020年の調査でも、大麻業界の経営及び管理者の73%が白人男性であったのに対し、女性は14%、有色人種の女性は2%であったことが報告されています。

前述したラトリフ氏は、有色人種の女性であることで歓迎されることはあるものの、時には否定的な関心、固定観念、スティグマで満たされ、自分が劣っているように感じることがあると言います。

また、2004年からアメリカで大麻の研究をしているアディ・レイ(Adie Rae)博士は、「資本主義における他の多くの分野と同じように、家父長制の力はまだ大麻産業にも影響を及ぼしています」とCannabis Health Newsに語っています

特に、科学者の間では「マチルダ効果」と呼ばれるものがあります。マチルダ効果とは、女性科学者による貢献が過小評価される偏見のことで、これにより、女性科学者の業績が同僚の男性のものとなってしまうことを指します。

「これは年配の方や有名な男性が、才能ある女性科学者と一緒に研究している場合によく当てはまります」「有名で、男性科学者であるという純粋な認識だけで、私たちの脳は偏見を持ってしまい、その発見が彼によってなされたと信じてしまいます。そして、これは間違いなく科学に限ったことではありません」

実際にレイ博士は以前、大麻の質を決定する要素は何かを理解するための研究論文を公開した際、マスコミ記者は彼女に引用を求めず、彼女と一緒にいた同僚の男性にアプローチし、彼の名で報道がなされたという経験をしています。

「女性が大きな功績を成し遂げたとしても見向きもされなかったら、カンファレンスでの講演を依頼されなくなってしまいます。カンファレンスでは、助成金を提供してくれる人と出会えるチャンスがあるんです。講演の機会や助成金のチャンスを逃すと、キャリアは損なわれてしまいます」

「有名な男性の業績を伸ばすために、有名ではない女性の業績を評価しないという犠牲を払う必要はありません。私たちは同時にそれをできると思います」

一方、ラトリフ氏は「アメリカでは、マイノリティや女性主導のビジネスへの投資が急増しており、大きなプラスになっています」と話します。実際に近年アメリカのいくつかの州では、麻薬戦争で不利益を被ったコミュニティや女性に対し、優先的に大麻ビジネスライセンスを発行するなどといった社会的公平(Social Equity)プログラムが導入されています。

Cannaclusive」、「WomenGrow」、「Women Employed in Cannabis」などといった女性やマイノリティを支える活動団体もあり、デイビス氏は「大麻業界には、強い女性のためのスペースがたくさんあり、私たちはそれらを必要としています」とコメント。

レイ博士は「女性は団結しなければなりません」「(大麻業界において)女性ネットワーク団体やサポートグループが存在しているという事実そのものが、この活動に理由があることを物語っています。そしてその理由とは、不平等であることです」と主張します。

Business Wire「National Survey Reveals More Than One-Third of U.S. Women Consume Cannabis, But Stigmas Linge」https://www.businesswire.com/news/home/20230308005765/en/National-Survey-Reveals-More-Than-One-Third-of-U.S.-Women-Consume-Cannabis-But-Stigmas-Linger

Cannabis Health News「Women in cannabis: exploring gender, race and equity in the industry」https://cannabishealthnews.co.uk/2023/03/08/women-in-cannabis-exploring-gender-race-and-equity-in-the-industry/

廣橋 大

精神病院に勤める現役看護師。2021年初頭より大麻使用罪造設に向けた動きが出たことをきっかけに、麻に関する情報発信をするようになる。「Smoker’s Story Project」インタビュアー。

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