子宮内膜症患者が大麻を摂取することで痛みやその他の症状緩和に

子宮内膜症患者が大麻を摂取することで痛みやその他の症状緩和に

子宮内膜症

子宮内膜またはそれに似た組織が何らかの原因で、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生し発育する疾患が子宮内膜症です。20~30代の女性で発症することが多く、そのピークは30~34歳にあるといわれています。

症状として、代表的なものは「痛み」と「不妊」です。痛みの中でも月経痛は子宮内膜症の患者さんの約90%にみられます。この他、月経時以外にも腰痛や下腹痛、排便痛、性交痛などがみられます。

(引用:https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=9)

カナダのデータテクノロジー企業であるStrainprint Technologies Ltd.は、子宮内膜症に対する大麻の使用について過去の記録データを利用して調査しました。

Strainprint Technologies Ltd.は、大麻の摂取方法、摂取量、骨盤痛やその他の症状に対する大麻の効果などのデータを記録するスマートフォン用アプリを開発している企業です。「大麻の科学的な理解を進め、データを通じて責任ある医療用および嗜好用の使用を導くことで、大麻の正当性を高める」というミッションを掲げています。

カンナビスと子宮内膜症の研究によると、この研究は、子宮内膜症と自己申告したStrainprintアプリユーザーを対象に行われました。大麻の有効性が考えられる症状としては、痙攣、骨盤痛、胃腸痛、吐き気、抑うつ、性欲減退が挙げられ、それらの症状に対しての調査しました。加えて、大麻の摂取方法、大麻の摂取量、カンナビノイドの比率も調査対象となっています。

研究者たちは、約3年間にわたって子宮内膜症を患っていると認識している252名の参加者によって記録された16,000回以上の大麻使用セッションの報告を分析しました。

 

大麻で治療された症状として最も多く報告されたのは、骨盤痛でした。胃腸症状は、大麻を使用する理由としてはあまり一般的ではありませんが、使用後の自己申告で最も改善したとのことです。

大麻は、骨盤の痛み、胃腸の問題、および気分に有効であると思われ、摂取方法によって効果が異なります。ベイプやジョイントなどの吸引摂取の傾向が強かったのは、鎮痛効果の発現がティンクチャーやエディブルなどの経口摂取に比べて早いためと考えられます。

また、あまり報告されていない気分障害や胃腸障害については、経口摂取の方が吸引摂取よりも優れているようでした。子宮内膜症の痛みと関連する症状に対する大麻の忍容性と有効性を調査する臨床試験が早急に必要です、と報告書は述べています。加えて、子宮内膜症患者は医療用大麻を使用することで安心感を得ており、他の薬、特にオピオイド系鎮痛剤の代わりに使用することが多いという調査データがこれまでに報告されています。

Taichi

大学在学中、日本に居続けることは勿体ないと感じ、オーストラリアに1年間語学留学。その際に、バックパックでニンビンに訪れ、「麻」に出会う。帰国後、日本社会に窮屈さを感じ、「麻」の本質を多くの人に知ってもらいたい思いで情報発信中。

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