子育てをしながら大麻を吸う母親たち「大麻を使用するママがいることは普通であるべき」

子育てをしながら大麻を吸う母親たち「大麻を使用するママがいることは普通であるべき」

子供の成長は、パパ、ママにとって大きな喜び。

それゆえに、多くの親は自分自身の健康、休息、睡眠、時間など、様々なことを犠牲にしがちです。

もちろん、親は責任を持って子育てをする必要があります。しかし、忘れてはならないのは、親も1人の人間だということ。

この記事では、子育てをしながら大麻を使用している2人のママのお話をご紹介。これらは、イギリスのメディア「Daily Star」の記者によるインタビュー記事を翻訳したものです。

子供を寝かしつける前に大麻を吸う。 ”大麻ママ” は普通であるべき

Danielle Simone Brand
Photo:Danielle Simone Brand by Daily Star

自称「大麻ママ(Weed Mom)」のダニエル・シモン・ブランド(Danielle Simone Brand)氏は、30歳半ばで初めて大麻を吸い始めるようになったことで、良い母親になれたと語ります。

彼女は現在44歳で、就寝前の子どもたちへの絵本の読み聞かせやアート活動の前に、大麻をたしなんでいます。家では家族から離れた場所で、空気清浄機を使用しながら喫煙。旅行先では、友人の家や大麻消費スペースで使用することも。

彼女の10歳と13歳の子供は、母親が大麻を使用するために時間をとっていることを「普通」だと語ります。

「私が大麻を使用しているところは子供たちに見せていないし、大麻を使用しない時はその部屋を施錠しています。しかし、社会としての大麻の標準化は十分な情報から始まるので、私たちはこの話題について話しています」

「子供たちにとって、大麻を使用する母親を持つことは、他の多くの家庭でアルコールが標準化されているのと同じように、普通なことです」

「大麻は責任を持って使用することが重要であり、過剰摂取はしません。状況に応じて適切に反応できるように、子どもたちには常に感情を向けています」「そして、責任を持ってお酒を飲む親と同じように、大麻の影響下では車を運転したり、反射神経を要するようなことはしません」

「しかし、就寝前の読書、犬と遊ぶこと、アート活動など、子供たちとのつながりが重要な場面で、ゆとりを持って子供たちと通じ合うために、大麻は素晴らしいものだと感じています」

カリフォルニア州を拠点とする彼女は、人生の早い段階で大麻を経験。そして、30代半ば、2児の母親になった時に初めて、大麻が ”ウェルネスツール” になり得ることに気がついたと語ります。

当時、彼女は睡眠不足になりがちな中で、子育てについて考えていました。大麻を吸うことでどのように生活水準が向上したのかを尋ねられた彼女は、以下のように回答。

「よく眠れるようになったので、健康面でも子育て面でもとても助かりました」「いくつかの方法で偏頭痛を管理するのにも役立ち、社交としてのアルコールの使用を大麻に置き換えることで、偏頭痛の発作頻度が減りました。発作が起きた時、CBDTHCで症状に対処できるようになり、痛みがずっと楽になりました」

彼女は作家として、大麻の汚名を返上するために「Weed Mom」という本を出版。彼女はアルコールのほうがより有害な悪習であるにも関らず、大麻はまだ間違いなく汚名を着せられていると考えています。

「アルコールは健康上多くの悪い結果を招いたり、悪い結果と相関関係にあったりします。私の経験上、大麻はアルコールよりも遥かに身体に優しいですし、子育ての行程にも役立っています」

「私はたくさんのママにインタビューをしてきました。彼女たちはアルコールが日課になっていると焦りやイライラを感じる一方で、大麻は子育て中の忍耐力やつながりを向上させてくれると話してくれました」「私も同じような変化を経験してきました。今やよく眠れ、偏頭痛も少なくなり、アルコールよりも遥かに健康的に感じられる手段でストレスを解消できる方法を知っている私は、より穏やかで、幸せな母親です」

ソーシャルメディアにおいては、失礼なコメントをされることはあるものの、全体的に発言することでポジティブな反応がみられているとのこと。これについて彼女は、「植物(大麻)に対する受け入れが高まってきているため」と説明しています。

「私が ”大麻ママ” であることオープンにしているのは、より多くの親や他の消費者が大麻の使用を受け入れ、同時に健康で生産的な人間であることを示すことで、スティグマが薄れていくと信じているからです」

みんなは ”麻薬中毒者” と呼ぶけど、私は良い母親よ

Britt Hibbitts
Photo:Britt Hibbitts by Daily Star

4歳の娘を持つ母親であるブリット・ヒビッツ(Britt Hibbitts)氏は、大麻がより良い母親になるための恩恵を与えてくれるものだと信じています。

彼女は不安うつ病ADHD、強迫性障害、不眠症に対する薬として大麻を使用。そうすることで、エネルギー、忍耐力、創造性が増し、質の高い睡眠が得られると話しています。

しかし、それは大きなタブーとなっており、子育てにおいてジョイントに火を付けるよりも、ワインを飲むことのほうが社会的により受け入れられていると主張。

毎日大麻を使用している32歳のヒビッツ氏は、周りから薬物中毒者だと思われていると話します。

「大麻を使うママに対しては、間違いなく大きなスティグマがあります」「大麻を吸うと、すぐに生産性のない薬物中毒者だと思われてしまいますが、そんなことは全くありません」

「大麻を使いながら、ちゃんと母親として機能することは可能です。ただ、大麻の品種と、その品種に身体がどう反応するのかに注意を払う必要があります」

「私は大麻を吸っているせいで、何度か見下されたことがあります」「でも、お酒を飲み、子供のそばで何でもできる母親がいる一方で、大麻を持ち出すと麻薬の売人のように見られる母親がいるのは、絶対におかしいと思います」

「他のママたちがワインボトルを1、2本開けて飲む一方で、大麻好きなママたちがジョイントを吸うことができたら、とても素敵だと思います」

ミシガン州出身の彼女は、15歳の時に初めて大麻を経験。たまにお酒を飲むこともありますが、気分をよくするためにいつも大麻に戻ってくると言います。

彼女は小さい娘に対しオープンに接しており、娘は大麻のことを母親を助けるための ”大人の薬” であることを知っています。しかし、ヒビッツ氏は娘の前で大麻を吸わないようにしていると話します。

「私は寝るまでの間、1日を通して数回大麻を吸います」「ホームオフィスを持っているので、そこが子供から離れた自分だけの空間になっています。私だけの聖域みたいな感じですね」

「必要であれば、気持ちを切り替えてママの時間を過ごすこともできます。子供の目の前で吸うことはありません」「あの子は大麻がママの助けになることを分かっている」

汚名を着せられているにも関らず、なぜ毎日大麻を使用していることに対して透明性を保とうとしているのかという記者の質問に対し、彼女は以下のように回答。

「私がこんなにオープンにするのは、他のママたちにも、大麻を吸って安心できることを知ってもらいたいからです」「クローゼットの中に隠れたり、大麻消費者の中に紛れたりする必要はないんです。大丈夫ですよって!」

The Daily Star「’I smoke cannabis before reading kids bedtime story – being a weed mum should be normal’」https://www.dailystar.co.uk/real-life/i-smoke-cannabis-before-reading-29341914

The Daily Star「’I have a kid and smoke weed daily – people call me drug addict but I’m a good mum’」https://www.dailystar.co.uk/real-life/i-kid-smoke-weed-daily-29300685

廣橋 大

麻マガジンライター。看護師国家資格保有者。2021年より大麻の情報発信に携わる。

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