バイデン大統領がトランプ前大統領に大統領選で勝利し就任後、約9ヶ月が経過しました。しかし、以前としてバイデン大統領はFDA(米国食品医薬品局)の新たな長官の候補者を指名していません。そのため、ジャネット・ウッドコック(Janet Woodcock)氏がFDA長官代理を務めていますが、法律上11月15日に退任しなければいけません。
バイデン政権は、FDAの次の長官候補としてロバート・カリフ(Robert Califf)氏を指名することを11月12日正式にホワイトハウス公式HPで発表しました。
FDA長官候補者 ロバート・カリフ氏
ロバート・カリフ氏は、1951年生まれ。サウスカロライナ州出身。デューク大学医学部を卒業。その後デューク大学医学部で教鞭をとり、デューク臨床研究所の創設者となりました。デューク臨床研究所は、1,000人のスタッフと3億2,000万ドル(約360億円)の予算を持つまでに成長。世界最大の学術研究機関と言われるまでになりました。
カリフ氏は製薬業界と密接な関係にあることでも知られています。2009年から2015年までカリフ氏は、Johnson & Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)、Merck & Co(メルク・アンド・カンパニー)、GlaxoSmithKline(グラクソ・スミスクライン)、AstraZeneca(アストラゼネカ)、Eli Lilly and Company(イーライリリー・アンド・カンパニー)、Janssen Pharmaceutical(ヤンセンファーマ)、Sanofi(サノフィ)を含む数多くの製薬会社の有償のコンサルタント業務を行ってきました。
2015年には、FDAの医療品・タバコ局の副長官に任命。オバマ政権時代にFDA長官に指名され2016年2月に就任し、2017年1月20日のオバマ大統領の任期最後の日に合わせて退任。危険な症状を起こさないよう規制をかけ処方箋によってVapeを使用することが望ましいと述べるなど、カリフ氏は前回のFDA長官時代には一般に市販されているすべてのVape製品を禁止するよう動き、Vapeの規制に熱心なことでも知られています。
2017年にFDA長官の座から離れた後は、グーグル(Google)とグーグルの子会社のライフサイエンス研究企業ベリーリー・ライフ・サイエンス(Verily Life Sciences)の顧問を務め、慢性疾患対策に力を入れています。また、バイデン政権に対し、世界的なワクチン摂取の強化を求めた専門家の一人でもあります。
FDAは、ワクチンや治療薬、その他の医療製品の規制に中心的な役割を果たしています。
現在までのところ、FDAは薬として大麻由来製剤エピディオレックス(Epidiolex)を承認していますが、食品や栄養補助食品としての大麻由来製品は認めないと述べています。
そのため、大麻業界の関係者はCBDなどの大麻由来製品を食品や栄養補助食品としてFDAが許可することを長い間心待ちにしています。
FDAは、それを可能にするための規制の道筋を模索していると述べており、最近ではCBDなどの大麻由来製品について消費者の投稿などを含めオンライン上を監視することも始めています。