英国食品基準庁、CBD事業者に警告を発する

英国食品基準庁、CBD事業者に警告を発する

/

FSA(Food Standards Agency:英国食品基準庁)は、12月8日に理事会を開催し、会議の内容をプレスリリースで公開しました。

FSAのCEOエミリー・マイルズ(Emily Miles)氏は、「現在安全性評価を経て許可を得て販売されているCBD製品はありません。」と述べ、CBD業界や小売業者に対して責任を持って行動するよう警告を行いました。

FSAは2020年2月に、CBD製品を販売する際にFSAに申請し許可を得ることを義務付け、申請書に記載した製造方法で毎回製造しなければいけないというルールを設けました。2021年3月31日以降は許可を得たCBD製品のみ販売を継続できると発表していましたが、現在までのところ発表は延期となっています。

現在何千という数の製品が申請されていますが、FSAの理事会の中でマイルズ氏は、3月31日の期限に間に合わなかった理由の一つは「申請書の質が予想よりも低いこと」と述べています。

FSAの認可を得たCBD製品のリストは近いうちに公開されると予想されていますが、それ以降はイングランドとウェールズではこのリストを使用して取り締まりが行われる可能性があります。(スコットランドの規制はFood Standards Scotlandが担当しており、北アイルランドの規制はEUの規則と認可手続きに従う必要があります。)

マイルズ氏は、「私たちの承認プロセスで製品が拒否された場合、取り締まりを強化する必要があります。FSAはこのプロセスをサポートします。」と地方自治体に対して発信しています。

FSA長官のスーザン・ジェッブ(Susan Jebb)氏は、次のように述べています。「FSAは消費者を保護する義務があります。この機会に、CBDを摂取する前に慎重に考え、CBD製品に関してFSAのアドバイスに従うようお願いします。FSAは、安全ではない製品によって消費者が大きなリスクにさらされている証拠が出てきた時には、躊躇なく行動を起こすでしょう。」

FSAは、健康な成人の場合、1日あたりCBD70mgを上限とすることをアドバイスしています。妊娠中および授乳中の場合、薬を服用している人などの場合は、安全性評価が完了していないためCBDを摂取しないことを推奨しています。

次回のFSA理事会は、2022年3月9日に開催される予定です。

また、米国の連邦政府機関であるFDA(食品医薬品局)は薬として大麻由来製剤エピディオレックス(Epidiolex)を承認していますが、食品や栄養補助食品としての大麻由来製品を認めていません。

FDAは、それを可能にするための規制の道筋を模索していると述べているため、州レベルではなく連邦レベルで認められることをCBD業界関係者は心待ちにしています。

石井 竜馬

麻マガジン創設者兼編集長。標高1,000mの山の中で井戸を掘り、湧き水と共に家族で農的暮らし。珈琲焙煎士でもある。ヨガ歴20年。ワクワクするスタートアップにシードからレイターまで投資ラウンド問わず投資したいため、起業家との出会い募集中。

Recent Articles

モロッコ、合法大麻製品の公式ロゴを発表

モロッコ政府は4月発行の官報において、合法大麻製品の公式ロゴを発表しました。 大麻のシンボルをモロッコ国旗と同様の赤色で縁取り、その下に「CANNABIS」と表記したこのロゴは、国外に輸出...

イギリス、ヘンプの栽培規制を緩和

4月9日、イギリス政府は経済的・環境的可能性を最大限に引き出すため、ヘンプの栽培規制を緩和することを発表。この新たな規制は2025年の栽培シーズンより施行されます。 イギリスにおいてヘン...

マラウイが高THC大麻の栽培を承認

マラウイ共和国の議会は、認可された栽培業者が輸出を目的とし、THC濃度の高い国産大麻を栽培することを承認しました。 アフリカの南東部に位置するマラウイはタバコの主要な生産国であり、国...