UFC、大麻を禁止物質リストから正式に除外

UFC、大麻を禁止物質リストから正式に除外

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2023年12月31日以降、アメリカの総合格闘技団体UFC(Ultimate Fighting Championship)は大麻を禁止物質リストから正式に除外しました

2023年12月29日、UFCは新たなアンチドーピングプログラムの詳細を発表。これによれば、「”禁止リスト”はどの物質が許可され、どの物質が許可されないかを詳述するもので、一般的には以前のプログラムと同じである」と述べられています。

しかし、UFCにおける禁止物質の基準は「WADA(世界アンチドーピング機関)の競技内及び競技外のプログラムをモデルにしている」としながらも、「過去の知見に基づいて修正」し「大麻は禁止リストから除外される」と明記されています。

UFC最高ビジネス責任者のハンター・キャンベル(Hunter Campbell)氏は「UFCのアンチドーピングポリシーの目標は、全てのプロスポーツの中で最も良く、最も効果的で、最も進歩的なアンチドーピングプログラムとなることである」

「UFCは過去8年間のアンチドーピングプログラムの進歩を誇りに思っており、全てのUFCアスリートが公平かつ平等な状況下で競技に参加することを保証するため、今後も独立した薬物検査プログラムを維持していく。 この新たなプログラムにより、UFCは再び格闘技における健康と安全の水準を引き上げることになった」とコメント。

UFCのアスリート・ヘルス・パフォーマンス担当シニア・バイスプレジデントであるジェフ・ノヴィツキー(Jeff Novitzky)氏は「この新しいプログラムはUFC、UFCのアスリート、そしてUFCのプログラム運営を支援してくれた第三者による長年の意見と試行錯誤の結果である。 アンチドーピング政策は生きた文書であり、UFCに出場するアスリートをさらに保護できる明確な科学的裏付けがあれば、進化し、適応し続ける」と述べました。

UFCはすでに2021年、大麻検査で陽性反応が出たとしても、それがパフォーマンス向上目的で故意に使用したという付加的証拠がない限りは、アンチドーピング政策違反とはみなされないと発表。また、THC以外の植物性カンナビノイドを禁止物質リストから除外することも明らかにしました。

当時、ノヴィツキーはこれについて以下のように語っています。

「我々はアスリートたちがマリファナの影響を受けた状態で競技に参加することは引き続き防ぎたいと考えているが、カルボキシ-THCの尿中レベルは競技外での使用後の数値に大きなばらつきがあることが分かり、また競技内の障害との科学的相関が極めて低いことが分かった」

「THCは脂溶性のため、いったん摂取されると体内の脂肪組織や器官に蓄えられて、血液循環の中に戻されることがある。その結果、摂取から長時間の経過後に尿中にカルボキシ-THCが現れることがある。従って、アスリートにとって競技内の障害を示す理想的なマーカーではない」

「要するにマリファナに関しては、過去のTHC陽性例でしばしばそうであったように、試合の数日前や数週間前に摂取したものではなく、我々は試合当日に摂取したものを気にしているということである。UFCアスリートは引き続き、様々なアスレチック・コミッションの規制のもとでマリファナのルールに従う必要がある。しかし、我々はこれがこの件に関する同団体の幅広い議論と変更の始まりになることを望んでいる」

WADAは2021年に大麻を禁止物質リストから外すための科学的検討を行った結果、大麻をそのまま禁止物質リストに残すことを正式に決定。WADAはこの理由として、「スポーツの精神に反すること」と「潜在的な健康リスク」を挙げています

しかし、UFCを含むいくつかのプロスポーツ界はこれに同調せず、大麻の規制緩和に乗り出しています。

メジャーリーグベースボール(MLB)は2019年に大麻を禁止物質リストから除外することを決定。さらに、MLBの球団は現在、CBD企業とスポンサー契約を結ぶようにもなっています

バスケットボールの最高峰であるNBAも、2023年7月1日より大麻を規制物質リストから除外。同時に、NBA選手による大麻企業への部分的な投資も認められるようになりました。

プロアメリカンフットボールリーグ(NFL)に関しては、大麻検査で陽性反応が出ても即座に選手を試合出場停止処分にしないだけでなく、カンナビノイドの研究にも積極的に出資するようになっています

全米大学体育協会(NCAA)の委員会は2023年9月、同協会において大麻を禁止物質リストから除外するよう正式に勧告。これが実現すれば、アメリカの大学スポーツでは大麻検査を受ける必要がなくなり、罰則を課されることがなくなります。

なお、大麻やカンナビノイドの使用は、コンタクトスポーツを中心とした運動において有益となる可能性があります。

アメリカの研究チームは、3ヶ月以上慢性疼痛を抱えるプロアスリート20名にCBDを主成分としたクリームを6週間使用してもらった結果、痛みや日常生活機能の改善が認められたことを報告

インディアナ大学の研究チームはヘディング後のサッカー選手において、大麻使用者では非使用者よりも脳へのダメージが少ないことを報告し、大麻がコンタクトスポーツにおいて有益となる可能性を明らかにしました

米国のケント州立大学とグランド・バレー州立大学の研究者らは、定期的に有酸素運動や筋トレをしている大麻使用者111名を調査した結果、回答者の93%が運動後の回復に大麻が役立つと実感していたことを報告しています

Marijuana Moment「UFC Formally Removes Marijuana From Banned Substances List For Professional Fighters」https://www.marijuanamoment.net/ufc-formally-removes-marijuana-from-banned-substances-list-for-professional-fighters/

Ultimate Fighting Championship「UFC ANNOUNCES DETAILS OF NEW ANTI-DOPING PROGRAM」https://www.ufc.com/news/ufc-announces-details-new-anti-doping-program (※日本からアクセスした場合、www.ufc.comではなくjp.ufc.comに自動的に切り替わり「404 NOT FOUND ページが見つかりませんでした。」となります)

Ultimate Fighting Championship「UFC ANNOUNCES FORMAL CHANGES TO ANTI-DOPING POLICY RELATED TO CANNABIS」https://www.ufc.com/news/ufc-announces-formal-changes-anti-doping-policy-related-cannabis (※日本からアクセスした場合、www.ufc.comではなくjp.ufc.comに自動的に切り替わり「404 NOT FOUND ページが見つかりませんでした。」となります)

廣橋 大

精神病院に勤める現役看護師。2021年初頭より大麻使用罪造設に向けた動きが出たことをきっかけに、麻に関する情報発信をするようになる。「Smoker’s Story Project」インタビュアー。

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