オハイオ州が嗜好用大麻合法化の住民投票を11月に実施
オハイオ州コロンバスにあるオハイオ・スタジアム

オハイオ州が嗜好用大麻合法化の住民投票を11月に実施

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8月16日、米国オハイオ州の規制当局は、嗜好用大麻の合法化に向けたイニシアチブ(一定数以上の有権者によって提案された法案)の可否を問う住民投票が今年11月7日に行われることを発表しました

今回オハイオ州でこのイニシアチブを実施するためには、まずは最低で13万筆以上の署名を提出する必要がありました。その後、州議会が4ヶ月以内にこの法案について検討し、その可否を決定するプロセスを開始。この期間中に立法措置がとられなければ、有権者は再度13万筆以上の署名を集めなければなりませんでした。

今回法案を提案した「マリファナをアルコールのように規制するための連合(CTRMLA:The Coalition to Regulate Marijuana Like Alcohol)」は、昨年にこの住民投票を実施する予定でしたが、複雑な手続きに阻まれ、実施に至りませんでした。

多少トラブルはあったものの、連合は今年初めに最初の132,887筆の署名を提出。その後、州議会は4ヶ月以内にこれを可決できなかったため、連合は再び13万筆以上の署名を集めることになりました。

署名の提出期限は約2ヶ月ほどしかなく、連合は期限日までに約22万筆の署名を提出しましたが、有効な署名が約700筆足りないという判定に。しかし、連合は追加で署名を集めるために10日間の猶予を与えられました。

その結果、追加で4,405筆の有効署名が集められたことが確認されたため、今年11月に住民投票が行われる運びとなりました。

今回の法案では、主に以下のような内容が定められています。

  • 21歳以上の成人は2.5オンス(約71g)までの乾燥大麻、15gまでの濃縮大麻の所持が可能。

  • 21歳以上の成人は個人使用目的で6株までの大麻を栽培できる。1世帯では12株まで許可される。

  • 大麻の販売には10%の税が課せられる。税収は社会的公平性及び雇用プログラム(36%)、嗜好用大麻事業を許可する地方自治体(36%)、教育と薬物乱用プログラム(25%)、制度を実施するための管理費(3%)に充てられる。

  • 商務省の下に「大麻管理部門(A Division of Cannabis Control)」を設置。同部門は嗜好用大麻市場の規制において権限を持つ。

  • 既存の医療用大麻販売店は、先んじて嗜好用大麻の販売が可能となる。規制当局は法案施行から9ヶ月以内に、既存の医療用大麻販売店に対し嗜好用大麻の販売ライセンスを発行し始めなければならない。

  • 規制当局は社会的公平性プログラムの申請者を優先して、40件の栽培ライセンスと50件の小売ライセンスを発行する。最初のライセンスが発行されてから2年後に、追加でライセンスを発行できる。

  • 規制当局は「大麻依存症サービス」を提供するために、精神保健・依存症サービス局と協定を結ぶ必要がある。このサービスには、大麻やその他オピオイドなどの規制薬物に関連する依存症問題を抱える個人に対する教育と治療が含まれる。

  • この法案で合法化される内容の前科の自動的抹消については定められていない。ただし、法案は規制当局に対し、前科抹消を含む刑事司法改革の取り組みのために研究し、資金提供を行うことを求めている。

「マリファナをアルコールのように規制するための連合」の広報担当者であるトム・ハーレン(Tom Haren)氏は「ここまでたどり着くのに協力してくれた何千人ものオハイオ州民に感謝しています。今度の選挙日に、アルコールと同様にマリファナを規制するという私たちの提案をオハイオ州の有権者に届けられることに興奮しています」と述べました。

大麻合法化の住民投票は人工妊娠中絶に関する権利の修正案とともに行われる予定であり、このことから多くの人が投票に足を運ぶ可能性があります。

先月に公開されたサフォーク大学とUSA TODAYの調査では、21歳以上の成人による大麻の所持と販売の合法化に対し、オハイオ州民の約59%が支持し、35%が反対であったことが明らかにされました。

また、オハイオ州立大学が最近発表した論文によれば、同州で嗜好用大麻が合法化された場合、販売開始から5年目までに、年間で2億7620万ドル(約404億円)から4億360万ドル(約590億円)の税収が得られる見込みとなっています。

なお、この住民投票とは別に、今年5月にオハイオ州議員らは嗜好用大麻合法化法案を提出しています。しかし、法案の審議は進められていないため、同州における嗜好用大麻の合法化は11月の住民投票に委ねられます。

この住民投票で法案が可決されれば、アメリカで24番目の嗜好用大麻合法州が誕生することになります。

オハイオ州は2016年に医療用大麻を合法化し、2019年よりその販売を開始。

現在オハイオ州で嗜好用大麻は違法ですが、地域レベルでは30以上の自治体が非犯罪化しています。今年5月には、ヘレナ市がこの仲間入りを果たしました。

また、今年1月にマイク・デワイン(Mike DeWine)州知事は、200gまでの大麻所持を含む特定の薬物関連の前科を持つ人々に対し、各都市が大量の前科抹消を行うことを促進する法案に署名。

これを受け、オハイオ州クリーブランド市のジャスティン・ビブ(Justin Bibb)市長は4月に、市内において約4,000件の大麻犯罪記録を抹消する計画を明らかにしました。

なお、昨年の11月には、メリーランド州ミズーリ州が住民投票で嗜好用大麻の合法化を承認。両州ではすでに販売も開始されています。

一方、今年3月に行われたオクラホマ州の住民投票では、嗜好用大麻の合法化法案が否決されています。

Marijuana Moment「Ohio Marijuana Legalization Initiative Will Appear On The November Ballot, State Officials Announce」https://www.marijuanamoment.net/ohio-marijuana-legalization-initiative-will-appear-on-the-november-ballot-state-officials-announce/

Ohio Capital Journal「Marijuana initiative could end up on Ohio November ballot alongside reproductive rights amendment」https://ohiocapitaljournal.com/2023/08/15/marijuana-initiative-could-end-up-on-the-november-ballot-alongside-abortion-amendment/

CNN「Ohio marijuana legalization initiative qualifies for November ballot」https://edition.cnn.com/2023/08/16/politics/ohio-marijuana-legalization-ballot-measure/index.html

AP News「A marijuana legalization question will be on Ohio’s fall ballot after lawmakers failed to act on it」https://apnews.com/article/marijuana-legalization-ohio-ballot-election-2023-33190433ac9cdf08b7a56b2e4aa4bc20

Marijuana Moment「Cleveland Mayor Plans Thousands Of Marijuana Expungements After State Reform Law Takes Effect」https://www.marijuanamoment.net/cleveland-mayor-plans-thousands-of-marijuana-expungements-after-state-reform-law-takes-effect/

廣橋 大

精神病院に勤める現役看護師。2021年初頭より大麻使用罪造設に向けた動きが出たことをきっかけに、麻に関する情報発信をするようになる。「Smoker’s Story Project」インタビュアー。

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